セカンドパートナー

「い、いないよ! そういうの興味ないから」

 とっさに出た言葉がそれだった。

 本当のことだ。恋愛なんて興味がないし、菱田君に告白された時も全く心が動かなかった。

 私の答えを意外に思ったらしく、並河君はさらに突っ込んだ質問をしてきた。

「ホント? 気になってる人とかも全然…?」
「そういうの、今までいたことない……」

 これは少しウソ。本当は、今まで関わった男子の中で並河君のことがけっこう気になってる。もっと仲良くなりたい。

 でも、それが恋愛感情かどうかなんてこの時は分からなかった。羽留や美季に対して仲良くなりたいと思った時と同じ、友情なのかもしれないし。

 だったらなぜ、さっき並河君が菱田君に私のことを友達って言った時、残念に感じたんだろ? 自分で自分が分からない。

 ほんの数秒の沈黙を破って、並河君はいつもよりぎこちない顔つきで訊いてきた。

「じゃあさ、もしもの話ね。例えばだけど、友達と思ってる男子に……。俺とかに付き合ってって言われたらどう思う? 率直に」

 ドキッとした。それって、遠回しな告白? いや、それはないか。話すようになったのもつい最近だし、第一、並河君のようなすごい人に好かれる要素、私にはない。好かれるようなことをした覚えもない。

 何でそんなことを訊いてくるんだろう!?

 さっき、菱田君に言ったよね? 私とは友達だって。色々と深読みしすぎかな……。たとえ話だって言ってるしね。

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