明日へのヒカリ


「へ〜、それで?」

「その人、優太っていう人なの。それで、優太の姉ちゃんや兄ちゃんは覚えてるのに、優太の事だけが思い出せなくて‥‥‥」


私がそう言うと、母さんは聞いてくる。


「ねぇ、その優太くんの上の名前は?」

「三神」


それを聞いた母さんの表情が、微妙に変わったのが分かった。


「母さん、優太の事知ってるの?」


そう聞くと、母さんは少しに言葉を濁しながら「あ、あー、うん。まぁ‥‥‥」と、曖昧に頷いた。


「ねぇ、どうして私、優太の事だけ忘れてると思う?」


私がそう聞くと、母さんは言う。


「優太くんと会ったのって、確か‥‥‥由希が4歳の頃だから‥‥‥、10年以上も前のことよね?」


私は、コクリと頷く。

すると母さんは、何事もなかったかのように言った。


< 146 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop