知らない貴方と、蜜月旅行
「久未…」
「紫月!おめでとう、そしておかえりー!……って、やっぱり幸せそうじゃないね紫月」


ドアを開けると久未が笑顔で話しかけてくれたけど、多分私の顔が笑顔全開じゃなかったからなんだろう…。久未まで顔を曇らせてしまった。


「とりあえず、入って。お腹減ってるでしょ?もう、ごはん作ったんだ。寒いからさ、シチューにしたよ。久未、シチュー好きでしょ?」
「うん、好きだけど…。話聞きたいな。でも、長くなりそうだよね。紫月の言うとおり、先に食べちゃおうか」
「うん、そうしよ!」


話を先にしたら多分シチューも冷めちゃうし、お昼ごはん逃しちゃうような気がして…。お皿も勝手に使っちゃおうと、深いお皿を探してテーブルに並べた。


「あ、美味しそう!食べていいの?」
「うん、いいよー。食べよう!市販のルーだし、美味しいよ!」


そう言って笑うと、二人手を合わせて〝いただきます〟をした。


「ん、美味しい。市販のルーだけじゃないね。紫月の愛がこもってる」
「うわ、なにそれ…」


シチューを一口食べて、二人で笑い合う。なんか、久々にこんなにホッコリした気分になったなぁ。


「ね、紫月。紅茶かなんかある?私、ケーキ買ってきたんだ。それ食べながら話さない?」
「えっ、ありがとう。待ってね、今用意するから」


シチューを食べ終わると、久未がケーキの箱をテーブルに置いた。紅茶と珈琲は買い物に行った時に買ってきたから、大丈夫!


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