知らない貴方と、蜜月旅行
吏仁の言うことを、おとなしく聞くことにして、帰ることにした。吏仁の大きな手に包まれながら、一歩一歩ゆっくり歩いていく。なにも喋らずとも、吏仁の思いがなんとなく分かる気がした。


「紫月」
「ん?っ、」


家に帰り、ドアが閉まると同時にされた不意打ちのキス。その優しいキスに、私の心臓がこれでもか!ってくらいドキドキしているのが分かった。


「守ってやれなくて、ごめんな」


そう言って私の殴られた場所を、服の上からそっと撫でられると、なにか込み上げてくるものがあって、ホロッと雫が落ちると、もう自分の意思では止めることができなかった。


「吏仁、」
「ん?」
「ずっと、私の傍に、いてくれる…?」


亮太が忘れられなくて、ずっと嫌な思いをさせてしまっていた。今さらだけど、吏仁の傍にいたい。そんな私に吏仁は、クスッと笑って言うんだ。


「もちろんだ。紫月が離れたくても離してやんねぇよ」


あぁぁぁ、私とんでもない人と出会ってしまったのかもしれない。どうしてもっと早くに、この人の愛を受け入れなかったのだろう。


「吏仁」
「ん」
「吏仁が大好きよ」
「…あぁ」


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