金曜日の恋奏曲(ラプソディ)



…カシャンッ








その音で、我に返った。




音がした左側に目を向けると、私の手からペンが滑り落ちていた。






それは、あの水色の蛍光の、






バッと、反射的に勢いよくそれを拾い上げた。








…馬鹿みたいだ。







…今日こそ忘れずに返そうと、ずっと握りしめていたなんて。








…これさえあれば私と須藤くんは繋がってるみたいに、大丈夫だって、強く握りしめていたなんて。






カアァッと顔が一気に赤くなった。







拾って顔を上げて、私は硬直した。









……須藤くんが、こっちを見てた。









心臓が、本気で一瞬活動を止めた。









…やめて。









眩暈がした。














…そんな、しまった、みたいな顔しないで…!











気付いた時には、私は走り出していた。








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