金曜日の恋奏曲(ラプソディ)









ズルい。ズルい須藤くん。








…だってそんなの








…そんな風に言われたら、私は









振り向くしかないのに。






目には、今にも溢れてしまいそうなくらい、限界ギリギリまで、涙が溜まっていた。






須藤くんの顔が滲んでぼやけてる。






…嫌だ。






強く思った。





私と須藤くんの関係が終わってしまうのが、嫌でたまらない。






だから、逃げた。例え真実でも、知りたくなんか





須藤くんは私の今にも泣きそうな顔が見えているのに、私は分からない。





それもズルい。





…だって何を言うの?




…勘違いさせてごめんって、言うの?





…俺の本当の好きな人は、って?







睫毛が震えた。








小さく、パタリ、と目が瞬かれたみたいになって、目から、涙が、零れ










ーーーーーーあ、まずい、












そう思った









瞬間










すべてが、スローモーションになった。












フワッと、髪が揺れた。











廊下の明かりが、










何かに遮られた、











と気付いた時には、












目が、何かに覆われていた。













それが、須藤くんの手だと分かる前に、











視界が、










真っ暗になった。











肩が、










軽く押さえられた。










それから腰が











僅かに前に、引っ張られて
















「………っ。」























…言葉を発しようとした唇を、柔らかい何かで防がれた。



















頭が真っ白になった。




























須藤くんは私に…キスをした。










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