金曜日の恋奏曲(ラプソディ)
カクン、と膝が曲がった。
「…えっ!?」
須藤くんが、咄嗟に私の右手を掴む。
でも、私は地面にペタリと座り込んだ。
…腰が、抜けた。
真っ白になった脳内に、1つ、ポンと、「?」が発生した。
と、連鎖するようにあっという間に「?」は数を増す。
なんで?
なんで?
…なんで?
巨大すぎる疑問符が、理由を求める。
須藤くんは、私の目線に合わせてしゃがんだ。
そして、掴んだままだった私の手を、そっと、握った。
「…ご、ごめん。」
須藤くん自信も驚いてるみたいだ。
ごめん、て
何が?
…なんでっっ???
涙が、ツーーと頬を伝った。
あれだけ我慢していたのに、もう力が抜けた。
須藤くんが弾かれたように私の目を見て、言った。
「…ごめん。」
……だからっ
「…何が?なんで?なんでそんなに謝るの?」
「あ、いや、」
「どうしてそうやって期待させるの?いつも、いつもそう。」
口が、止まらない。
「待って、違う」
「違う?何が?」
間髪入れず噛み付いた。
「何が違うっていうの?須藤くんはずるい。…里見先生が、好きなんでしょう?」
言って、自分で傷ついて。
ポタ、ポタ、と涙が落ちた。
「違う!」
須藤くんの、少し大きい声にびっくりした。
須藤くんは、何かを堪えるように顔を歪めていた。
鼓動が早くなる。
須藤くんのあの髪の毛が、揺れた。
そして、須藤くんはゆっくりと、何かを振り払うように、私の目を覗き込んだ。
須藤くんの、あの瞳が、私を見てる。
顔が、少し赤く見える…。
「………俺は、長谷川さんが好きだよ。」