音楽プレーヤー
カケルとの愛を確かめ合ったあたしたちは。
カケルに付き添われ、家へ戻った。
「カケル。
今度、カケルが好きなバンドのライブ、行かない?」
「え?」
「今度もっと、真面目に聞いてみるわ」
「真面目に聞いてみるって…。
めっちゃ良い曲ばかり作るんだぜ?
聴いて損はねぇって!」
「カケルが好きなモノは、あたしも好きになってみるわ」
「無理して好きにならなくて良いからな」
あたしの手を握るカケルの手が、強くなる。
あたしたちは、一緒に微笑んだ。
お父さんとお母さんには、無断で外泊したことに怒っていたけど、
相手がカケルだったから許してくれた。
あたしはテキトーに、家を出たら具合が悪くなって、カケルに看病してもらったと嘘をついた。
それに両親はカケルにお礼を言っていた。
聞きながら、ぼんやり思う。
…あたし、
何で外泊したんだろう?
カケルと…何しに出掛けたんだろう。