あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「俺の腕に掴まって」
そう言って私の腕は引き寄せられ、小林さんの逞しい腕に抱きつく形になってしまった。二人の距離が近付く分、心臓は簡単に飛び跳ね、そして…。私は泣きたくなった。今日で最後になると思うと優しくされるだけで決心が鈍る。それなのに、私は小林さんの言葉に抗えない。布越しに感じる温もりに涙が出そうになった。
聞こえるのは遠くの波の音と、小林さんの身体越しに響く声。
こんな甘い時間を過ごせば過ごすほど苦しさが増すのは分かっている。だから、もう限界だと思った。私が立ち止まると、小林さんはゆっくりと私の方を見つめる。逆光で顔が綺麗には見えない。小林さんはどんな表情で私を見つめているの?
「何かあった?」
「なんでもないです」
別れの言葉を言おうとして、でも言えなくて、また、当たり障りのない話をしながら、ゆっくりと砂浜を歩きだすことになる。小林さんの優しさが心に沁みるだけで苦しくなる。このまま時間が止まればいいのにと思わずにはいられなかった。
「仕事はこの頃どう?研究は上手くいっている?」
「忙しいですよ。でも、ある程度の目処は付きました。中垣先輩も凄く頑張っていて高見主任の期限には間に合いそうです」
そう言って私の腕は引き寄せられ、小林さんの逞しい腕に抱きつく形になってしまった。二人の距離が近付く分、心臓は簡単に飛び跳ね、そして…。私は泣きたくなった。今日で最後になると思うと優しくされるだけで決心が鈍る。それなのに、私は小林さんの言葉に抗えない。布越しに感じる温もりに涙が出そうになった。
聞こえるのは遠くの波の音と、小林さんの身体越しに響く声。
こんな甘い時間を過ごせば過ごすほど苦しさが増すのは分かっている。だから、もう限界だと思った。私が立ち止まると、小林さんはゆっくりと私の方を見つめる。逆光で顔が綺麗には見えない。小林さんはどんな表情で私を見つめているの?
「何かあった?」
「なんでもないです」
別れの言葉を言おうとして、でも言えなくて、また、当たり障りのない話をしながら、ゆっくりと砂浜を歩きだすことになる。小林さんの優しさが心に沁みるだけで苦しくなる。このまま時間が止まればいいのにと思わずにはいられなかった。
「仕事はこの頃どう?研究は上手くいっている?」
「忙しいですよ。でも、ある程度の目処は付きました。中垣先輩も凄く頑張っていて高見主任の期限には間に合いそうです」