あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「そっか。頑張っているね。まあ、中垣さんなら絶対に期限に間に合わせるとは思っていたけどね。俺の方も順調。最初は大変だと思ったけど、一つ一つ積み上げるといつかは終わりが来るものだと自分に言い聞かせている。でも、今まで自分が自分にどれだけ甘かったかも知った。でも、毎回これでは気持ちが折れそうだけどね」
本社営業一課で鍛えられた小林さんであっても気持ちが折れそうになるという数字ってどんなものなのだろう。私の想像を軽く超えるものであるのは間違いない。
「喉が渇いたから買ってくるけど、美羽ちゃんは何がいい?」
「お茶なら何でもいいです。」
「ん。待ってて。」
そういうと、小林さんは私の手をそっと放すと、私に向かってニッコリと笑った。そして、身体をふわりと浮かせたかと思うと、石垣の上に登っていて、そこにある自動販売機にお金を入れていた。そして、私の方に振り向くと、自動販売機のお茶のところを指差している。私が頷くと小林さんはボタンを押した。
綺麗な顔は私を見つめていて、その視線にドキドキしながらも何度も恋をする私がいる。このまま何も言わずにずっとこの姿を見ていたいと思った。時間を長引かせれば長引かせるほど自分が苦しくなるのは分かっているし、楽しければ楽しいほど、お互いの傷が深くなる。なのに私はなかなか言い出せなかった。
「ちょっと座ろうか?」
本社営業一課で鍛えられた小林さんであっても気持ちが折れそうになるという数字ってどんなものなのだろう。私の想像を軽く超えるものであるのは間違いない。
「喉が渇いたから買ってくるけど、美羽ちゃんは何がいい?」
「お茶なら何でもいいです。」
「ん。待ってて。」
そういうと、小林さんは私の手をそっと放すと、私に向かってニッコリと笑った。そして、身体をふわりと浮かせたかと思うと、石垣の上に登っていて、そこにある自動販売機にお金を入れていた。そして、私の方に振り向くと、自動販売機のお茶のところを指差している。私が頷くと小林さんはボタンを押した。
綺麗な顔は私を見つめていて、その視線にドキドキしながらも何度も恋をする私がいる。このまま何も言わずにずっとこの姿を見ていたいと思った。時間を長引かせれば長引かせるほど自分が苦しくなるのは分かっているし、楽しければ楽しいほど、お互いの傷が深くなる。なのに私はなかなか言い出せなかった。
「ちょっと座ろうか?」