あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「そうだね。俺もそれは心配だよ。フランスは遠いからね。それに、向こうには魅力的は男の人もいるし、だから…。俺も決めた」
小林さんはそういうと綺麗な微笑みを私に向け、私の手をキュッと握ると、自分のポケットから出したものを指に嵌める。
左手の薬指に感じるのは…。
「きっちり、給料三か月分。これが俺の覚悟というか、俺の希望だよ。美羽ちゃんが好きだから結婚したい。美羽ちゃんが二年後フランスから帰ってきたら俺と結婚してください」
そう言って左手の薬指に嵌った指輪を優しく撫でる。冷たい金属が私の熱で温められ、指輪が私の体の一部になる。左手の薬指にはキラキラと輝くぽってりとしたフォルムのダイヤモンドがシンプルなプラチナの台の上に乗っている。一目でエンゲージリングと分かる指輪が私の指を飾っていた。
「俺の我が儘だと思う。でも、美羽ちゃんも諦めて。俺は美羽ちゃんと別れない。それに誰にも取られたくない。狡い男だと思ってくれていい。フランスに行く美羽ちゃんを俺がこれで縛る」
ハッキリという小林さんの顔にはいつもの優しい笑顔はなくて、真摯な空気を纏う。視線が私を射抜くように見つめている。言葉には思いが込められ、小林さんの真摯な思いが伝わってくる。まさか、こんなことは想像もしてなかった。私は別れるつもりで今日は来たのに、
小林さんは…。私にプロポーズする。
小林さんはそういうと綺麗な微笑みを私に向け、私の手をキュッと握ると、自分のポケットから出したものを指に嵌める。
左手の薬指に感じるのは…。
「きっちり、給料三か月分。これが俺の覚悟というか、俺の希望だよ。美羽ちゃんが好きだから結婚したい。美羽ちゃんが二年後フランスから帰ってきたら俺と結婚してください」
そう言って左手の薬指に嵌った指輪を優しく撫でる。冷たい金属が私の熱で温められ、指輪が私の体の一部になる。左手の薬指にはキラキラと輝くぽってりとしたフォルムのダイヤモンドがシンプルなプラチナの台の上に乗っている。一目でエンゲージリングと分かる指輪が私の指を飾っていた。
「俺の我が儘だと思う。でも、美羽ちゃんも諦めて。俺は美羽ちゃんと別れない。それに誰にも取られたくない。狡い男だと思ってくれていい。フランスに行く美羽ちゃんを俺がこれで縛る」
ハッキリという小林さんの顔にはいつもの優しい笑顔はなくて、真摯な空気を纏う。視線が私を射抜くように見つめている。言葉には思いが込められ、小林さんの真摯な思いが伝わってくる。まさか、こんなことは想像もしてなかった。私は別れるつもりで今日は来たのに、
小林さんは…。私にプロポーズする。