あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
駅までの道を歩きながら、研究で一生懸命だった時間には考えなかったことがゆっくりと蘇る様に頭の中に浮かぶ。フランス留学を決めてしまったこと。そして、小林さんとのこれからのこと。
バッグの中に入っている袋にはフランス留学で必要な書類が入っている。私の予想に違わず、二週間後には私はフランス研究所に交換留学として赴任することが決まっていた。
左手の指に嵌っている指輪をキュッと抱きしめるように右手で包むと駅までの道を急いだのだった。
駅のホームに行くと私が着たのを見計らったかのように電車が滑り込んできて、目の前に満員の様相を呈した。時間からして仕方ないかもしれないけど、後ろから押されるように電車内に入ると窓際から奥の方に押しやられてしまい、一番降りやすいドア横は確保できなかった。
電車に揺られ、私は自分の乗降する駅に着くと、人の波を掻き分け、ホームに降りることが出来た。ホッとしたと同時に私の携帯が震えた。小林さんからのメールだった。
『美羽ちゃん。仕事は終わった?俺はもう少しで終わると思う』
会いたいと思った。でも、会えないとも思った。
私の仕事が忙しい様に小林さんの仕事も忙しい。東京の本社営業一課で一緒に働いたことがあるから小林さんの置かれている今の立場も分かる。営業は数字がモノを言う。いくらその過程が良くても結果が良くなければ一緒。最初は過程もとは思ったけど、そんなに企業というのは甘くない。小林さんは営業だから、数字を上げないといけない。
主任という立場は…そんなに甘くない。
バッグの中に入っている袋にはフランス留学で必要な書類が入っている。私の予想に違わず、二週間後には私はフランス研究所に交換留学として赴任することが決まっていた。
左手の指に嵌っている指輪をキュッと抱きしめるように右手で包むと駅までの道を急いだのだった。
駅のホームに行くと私が着たのを見計らったかのように電車が滑り込んできて、目の前に満員の様相を呈した。時間からして仕方ないかもしれないけど、後ろから押されるように電車内に入ると窓際から奥の方に押しやられてしまい、一番降りやすいドア横は確保できなかった。
電車に揺られ、私は自分の乗降する駅に着くと、人の波を掻き分け、ホームに降りることが出来た。ホッとしたと同時に私の携帯が震えた。小林さんからのメールだった。
『美羽ちゃん。仕事は終わった?俺はもう少しで終わると思う』
会いたいと思った。でも、会えないとも思った。
私の仕事が忙しい様に小林さんの仕事も忙しい。東京の本社営業一課で一緒に働いたことがあるから小林さんの置かれている今の立場も分かる。営業は数字がモノを言う。いくらその過程が良くても結果が良くなければ一緒。最初は過程もとは思ったけど、そんなに企業というのは甘くない。小林さんは営業だから、数字を上げないといけない。
主任という立場は…そんなに甘くない。