あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 そんなことを思うと、私は自分の気持ちに蓋をする。会いたいなんて我が儘を言えない。言えないけど本当は小林さんの爽やかな笑顔が見たかった。小林さんの笑顔は私に力をくれる。一日の疲れを癒す最高のご褒美。こういうことを思う時、私は小林さんを好きなんだと改めて思う。好きという気持ちは厄介でセーブが難しい。婚約した今だからこそ、会いたいと思う反面、重荷にもなりたくない。


『お疲れ様です。先ほど仕事が終わり、マンションの最寄りの駅に着いたところです。今からコンビニに寄ってから帰ります。小林さんも仕事頑張ってくださいね』


 そんなメールを送ってすぐに返信が返ってくる。その言葉に胸がキュッとなった。


『会いたい』


 私の言いたくても言えない言葉が綴られていた。重荷になりたくないとか言いながらも私は会いたかった。婚約したということでどこまで自分を出していいのか分からない。でも、難しいことを考えずにただ、自分の気持ちに素直になること。


『私も会いたいです』


 そんな私の言葉にすぐに小林さんの返事が届く。その画面に視線が吸い寄せられた。

 
『今日、美羽ちゃんの部屋に泊まりにいっていい?』


 恋愛初心者の私に振ってきたミッション。


『彼氏(婚約者)が自分の部屋に泊まりに来る?』



 小林さんは私の部屋に飲んだ後とかで流れのように泊まったことはあるけど、こんな風に最初から泊まりにくるというのは初めてで…。


 ドキッとしてしまった。
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