あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
私が身体を捩って、小林さんを見つめると、小林さんはすっきりとした顔で笑っている。高校まで野球に一筋だった小林さんは甲子園で肩を壊して野球を辞めることになったと聞いたことがある。あの、夏の暑い日。私を惹きつけた小林さんは自分の人生を掛けていたからこそあんなにも輝いていたのだろう。
「どうしても勝ちたかったんだ。今でも忘れない。あの時の夏は」
あの時の夏は私にとっても特別なだった。
私がテレビの中にいる小林さんに恋心を抱いたあの日を私も忘れていない。私の身体をキュッと抱きしめる小林さんの背中に私は腕を回し、キュッと抱きつく。余りにも切なげな表情に抱きしめてあげたくなる。包んであげたくなる。
「後悔しなかったんですか?」
「したよ。自分で選んだのに、後になってね。小さい頃からプロ野球選手になるのが夢だった。でも、今はそれもよかったと思っている。あの時頑張っていたから、今の俺がある」
幼い時からの自分の夢が壊れた時、そこから立ち上がるのは大変だったと思う。並大抵の努力じゃないのは考えるだけでも分かる。高見主任や折戸さんの居る本社営業一課で新入社員の時から鍛えられたのだから、それは普通の新入社員の比ではないだろう。
それでも小林さんは初めて会った時から優しく笑っていた。
「どうしても勝ちたかったんだ。今でも忘れない。あの時の夏は」
あの時の夏は私にとっても特別なだった。
私がテレビの中にいる小林さんに恋心を抱いたあの日を私も忘れていない。私の身体をキュッと抱きしめる小林さんの背中に私は腕を回し、キュッと抱きつく。余りにも切なげな表情に抱きしめてあげたくなる。包んであげたくなる。
「後悔しなかったんですか?」
「したよ。自分で選んだのに、後になってね。小さい頃からプロ野球選手になるのが夢だった。でも、今はそれもよかったと思っている。あの時頑張っていたから、今の俺がある」
幼い時からの自分の夢が壊れた時、そこから立ち上がるのは大変だったと思う。並大抵の努力じゃないのは考えるだけでも分かる。高見主任や折戸さんの居る本社営業一課で新入社員の時から鍛えられたのだから、それは普通の新入社員の比ではないだろう。
それでも小林さんは初めて会った時から優しく笑っていた。