あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「小林さん。少しご飯いりませんか?」

「うん。貰う」

 
 私が手の付けてないご飯を小林さんのお弁当のご飯の上に盛ると、かなりの分量が小林さんの目の前にある。そんなご飯を見ながら凄いなって思う。私は半分を食べるのがやっとだった。


「美羽ちゃん。もう少し食べないと」


「そんなにお腹空いてないんです。小林さんが多かったら残してくださいね」


「いや、俺は大丈夫だよ」


 一緒に食べ始めると私の心配は必要なかったと思い知る。気持ちのいいくらいに小林さんの前のご飯は口の中に消えて行く。幸せだなって思った。こうやって一緒に居るだけで幸せなのに…。私はフランスに行く。自分で決めたことだから何も言えないけど、それでも少しだけ胸が痛かった。


「美羽ちゃんと食べると何でも美味しいから困る。太ったらからって嫌わないでね」


「嫌ったりしませんよ」


「ならいいけど」



 そんなことで嫌いになったりしない。私が好きなのは外見ではなくて内面。優しくて思いやりがあって…一生懸命なのに…本当は少し甘えん坊なところもある。そんな小林さんに恋をした。


「さあ、そろそろ寝ようか。」


 そう小林さんが言ったのは時計の針が午前0時を過ぎた頃、私はソファに座り、小林さんに肩を抱きしめられたままテレビを見ている時だった。食事が終わり、ソファに座ると自然を肩を抱き寄せられ、私も小林さんの肩に頭を傾ける。自分でも恥ずかしくなるくらいに小林さんに甘えていた。

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