あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 駅前のカフェはたくさんの会社に行く人で溢れている。そんな中、私も小林さんと一緒に並んで座っている。テーブル席はいっぱいで窓際に並ぶカウンターに辛うじて二人で並んで座ることが出来た。私はホットサンドとコーヒーだけど、小林さんはホットサンド二つと、トースト。そして、コーヒーを頼み、トレーの上はいっぱいになっていた。


「足りますか?」


「うん。大丈夫だと思う。昼に定食を大盛りにして貰うから」


 小林さんらしいと思いながら、いつかお弁当でも作ってあげたいなぁと思う私がいる。恋をしてこんなにも色々なことをしてあげたいと思ってしまう。


 カフェで一緒に食事をして、一緒の電車に乗る。揺れる電車の中で何度も視線が小林さんと絡んだ。たくさんの人の中、私は小林さんに庇われるように電車に揺られる。この小さな幸せを私は噛みしめていた。幸せ過ぎて怖いくらい。


「美羽ちゃんは今日も遅いの?」


「仕事次第なので分からないですが、多分遅いと思います」


 フランスへの交換留学が正式に決まったから、私は今の研究から外れ、引継をしないといけない。交換留学だから、私の仕事はフランスからの留学してくる研究員が引き継ぐのか、それとも中垣先輩に引き継ぐのかはこれからになる。もしも、フランスからの研究員が引き継ぐならその研究員が分かりやすいように資料を整理しておかないといけない。

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