あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
私は折戸さんのプロポーズを断っている。そんな私がフランスに行ったからって甘えていい人ではない。そんな事情を所長は知らないから、言ってくれているだろうけど、私は折戸さんに頼るつもりはなかった。
「それでは失礼します」
挨拶をしてから所長室を出ると、そのまま自分の研究室に戻る気にならなくて、屋上にそのまま上がることにした。別に屋上に用事があるわけではなかったけど、大きく深呼吸したい気分だった。こんな時間に屋上になんかいる研究員は私くらいで、ポツンと一つだけ置いてあるベンチに座ると空を仰ぎ見た。
気持ちのいい青空が広がっている。その青空を眺め呼吸すると、騒がしかった気持ちが静かになっていく。私が決めたことなのに、いざ書類の入った封筒を貰うと、ザワザワと心が揺れてしまった。小林さんと一緒に過ごす時間が幸せで楽しいほど、自分が苦しくなっている。
離れたくないと思う自分が怖かった。かといって、私が研究所に残ったとしても私は大きな後悔に包まれるだろう。二年は長い。今は小康状態の中垣先輩のお祖母さんもいつ容体が変わるかわからない。
何もなければいい。
でも、中垣先輩のお祖母さんに何か会った時に…。私は絶対に後悔する。だから、私が行くことに決めた。そう決めたのに…。
キュッと手を握ると、チクリと胸が痛む。理屈では割り切れない思いが私にもあって、小林さんと離れるのが平気なわけではない。でも、私は行くと決めたのだから迷っている時間はなかった。
「それでは失礼します」
挨拶をしてから所長室を出ると、そのまま自分の研究室に戻る気にならなくて、屋上にそのまま上がることにした。別に屋上に用事があるわけではなかったけど、大きく深呼吸したい気分だった。こんな時間に屋上になんかいる研究員は私くらいで、ポツンと一つだけ置いてあるベンチに座ると空を仰ぎ見た。
気持ちのいい青空が広がっている。その青空を眺め呼吸すると、騒がしかった気持ちが静かになっていく。私が決めたことなのに、いざ書類の入った封筒を貰うと、ザワザワと心が揺れてしまった。小林さんと一緒に過ごす時間が幸せで楽しいほど、自分が苦しくなっている。
離れたくないと思う自分が怖かった。かといって、私が研究所に残ったとしても私は大きな後悔に包まれるだろう。二年は長い。今は小康状態の中垣先輩のお祖母さんもいつ容体が変わるかわからない。
何もなければいい。
でも、中垣先輩のお祖母さんに何か会った時に…。私は絶対に後悔する。だから、私が行くことに決めた。そう決めたのに…。
キュッと手を握ると、チクリと胸が痛む。理屈では割り切れない思いが私にもあって、小林さんと離れるのが平気なわけではない。でも、私は行くと決めたのだから迷っている時間はなかった。