あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
フランスでの仕事は一生懸命しようと思う。今の研究を更に向上させてはっきりとした成果を上げる。私に出来ることはそれしかない。小林さんが私のことを思い、送り出してくれる気持ちに私は応えないといけない。どんなにそして、二年後…。私はきっと小林さんの腕の中に戻る。
約束はあまりにも未定だけど、私はその微かな約束だけを信じるしかなかった。
指に輝く綺麗な指輪を見つめると私を励ましてくれる気がした。私はベンチに座ったまま、書類の入った袋を開くとゆっくりと引き出す。思ったよりもたくさんな書類だと思いながらも、その一番上にある用紙に目が釘付けになる。
それは辞令だった。
『坂上美羽。
静岡研究所 第一研究室 研究員の任を解き、フランス研究所 客員研究員を命じます。』
その書類は急に現実だった。
この書類を私は研究室で見なくてよかったと思った。この辞令を見た瞬間、私はさっきよりももっと大きなざわつきを感じた。きっと眉間には皺が寄っているだろう。そして、少しでも心を乱したことを中垣先輩に知られたくなかった。ただでさえ、中垣先輩は私の小林さんとのことで罪悪感にも似た思いを抱いている。それなのに、これ以上の重荷を背負わせるわけにはいかない。
私が決めたことなのに、中垣先輩が心を痛めるのは筋違いだし、今はお祖母さんのことだけを考えて欲しいと思う。これが私の心からの思いだった。
約束はあまりにも未定だけど、私はその微かな約束だけを信じるしかなかった。
指に輝く綺麗な指輪を見つめると私を励ましてくれる気がした。私はベンチに座ったまま、書類の入った袋を開くとゆっくりと引き出す。思ったよりもたくさんな書類だと思いながらも、その一番上にある用紙に目が釘付けになる。
それは辞令だった。
『坂上美羽。
静岡研究所 第一研究室 研究員の任を解き、フランス研究所 客員研究員を命じます。』
その書類は急に現実だった。
この書類を私は研究室で見なくてよかったと思った。この辞令を見た瞬間、私はさっきよりももっと大きなざわつきを感じた。きっと眉間には皺が寄っているだろう。そして、少しでも心を乱したことを中垣先輩に知られたくなかった。ただでさえ、中垣先輩は私の小林さんとのことで罪悪感にも似た思いを抱いている。それなのに、これ以上の重荷を背負わせるわけにはいかない。
私が決めたことなのに、中垣先輩が心を痛めるのは筋違いだし、今はお祖母さんのことだけを考えて欲しいと思う。これが私の心からの思いだった。