あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「で、そっちの打ち込みは終わったか?」
私を現実逃避の甘さから引き戻したのは中垣先輩の声だった。小林さんのことを考えていた私は少しの間手を止めてしまっていた。ふと大好きな人の顔が浮かぶのは恋をしているからだとは思うけど、仕事中はご法度だと自分を戒める。時計を見るともう少しで午前中の仕事が終わる時間になっていた。
今日で静岡の研究所で最後で、後は少しの有休を消化してからフランスに行くことになっている。そして、今日は最後の日だというのに私はいつもどおりにパソコンの前で仕事をしている。最後だからと言って中垣先輩は変わらない。変わらないからいいのかもしれない。
何度か研究所での送迎会をして貰い、荷物も殆どフランスに送ってしまい、私の手元にあるのは打ち込みデータの資料が少しだけ。それももう少しで終わるだろう。スケジュールはぴったりというところかもしれない。
「もう少しです。でも、夕方までには終わります。新しく来た研究員が使うデータベースにもコピーをしておかないといけないですね。それと…」
「わかった。とりあえずそこで止めろ」
「え?」
早くしろと言われるかと思ったけど、逆だった。打ち込みはセーブすれば止められないことはないけど、仕事の流れからいうともう少しだけパソコンの前に座っていたかった。
私を現実逃避の甘さから引き戻したのは中垣先輩の声だった。小林さんのことを考えていた私は少しの間手を止めてしまっていた。ふと大好きな人の顔が浮かぶのは恋をしているからだとは思うけど、仕事中はご法度だと自分を戒める。時計を見るともう少しで午前中の仕事が終わる時間になっていた。
今日で静岡の研究所で最後で、後は少しの有休を消化してからフランスに行くことになっている。そして、今日は最後の日だというのに私はいつもどおりにパソコンの前で仕事をしている。最後だからと言って中垣先輩は変わらない。変わらないからいいのかもしれない。
何度か研究所での送迎会をして貰い、荷物も殆どフランスに送ってしまい、私の手元にあるのは打ち込みデータの資料が少しだけ。それももう少しで終わるだろう。スケジュールはぴったりというところかもしれない。
「もう少しです。でも、夕方までには終わります。新しく来た研究員が使うデータベースにもコピーをしておかないといけないですね。それと…」
「わかった。とりあえずそこで止めろ」
「え?」
早くしろと言われるかと思ったけど、逆だった。打ち込みはセーブすれば止められないことはないけど、仕事の流れからいうともう少しだけパソコンの前に座っていたかった。