あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 時間は午前三時を過ぎたくらいの時間に何をするのかを考えるとなると、お互いに頭も回らないだろう。それにさっきまで研究所を読んでいた私は頭の中をそう簡単には切り替えられない。お出かけ関係の情報誌でも捲らないとどこに行けばいいのかなんて分からない私にすぐにいい案が出てくるわけもないから、小林さんの提案はありがたいものである。


「はい。私もその方がいいと思います」


「じゃ、俺はこのままシャワー浴びてくる。美羽ちゃんは先に寝てて」


 そういうと私の頭をポンポンと撫でると、スルリと私の横を過ぎ、リビングに入っていく。私はというとさっきのキスの余韻からまだ抜け出せず、一瞬遅れてから小林さんの後をついてリビングに入った。すると、そこでも寝室から自分の着替えを取った小林さんと擦れ違い…。擦れ違い様にもう一度ポンポンと頭を撫でられた。


 小林さんに頭を撫でられただけなのに…また私は顔を赤く染めてしまう。


 これからフランスに行くまでの数日間だけど、私の心臓はもつのだろうか?小林さんの甘さに私は溺れそうだった。リビングに佇みながら、フッと息を吐くと耳に届いたのはバスルームからの水音。小林さんはシャワーを浴びている。


 当たり前なのに…落ち着かない。


 私は小林さんに言われたとおりに寝室に入るとベッドに潜り込む。小林さんと何度も一緒に寝ているのに、今日は落ち着かない。ベッドの上で何度も寝返りを打つ私はおかしい。


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