あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
小林さんの声を聞きながら本当に私の日本での仕事が終わったのだと感じた。
『お疲れ様』とか、『向こうでも頑張ってね』とか労いの言葉はたくさん貰ったのに、今の小林さんの言葉が胸の奥まで沁み渡る。自分で心の中の空洞を感じている。私は不安でいっぱいだった。自分で選んだこととはいえ、フランスでやっていけるのだろうか?
「ありがとうございます」
「さ、寝よ」
「明日は何時に起こしますか?」
「休みだから一緒に朝寝坊する。昼過ぎに起きて、何か食べてから出掛けるつもりだよ」
「どこに行きますか?」
「うーん。俺はどこでもいいけど、美羽ちゃんはどこに行きたい?」
どこに行きたいと言われてすぐに思いつくほど私は情報誌に精通はしていない。会社とマンションの行き帰りの道筋にあるものだけが私の知っている情報だった。それも一本でも幹線道路から入ると分からないという。
「どこでもいいです」
「じゃ、起きてから考える。おやすみ。美羽ちゃん」
「おやすみなさい」
時計の針の音が静かに寝室に響いている。小林さんは本当に疲れているのだろう。帰ってきた時間ギリギリまで仕事をしていたとなると、きっと、かなりの無理をしたのだろう。私と過ごす時間を作るためとはいえ、どれだけ頑張ったのだろうか?
「無理はしないで欲しいです」
シャツ越しに感じる温もりと心音はいつの間にか私も夢の中に誘っていく。視界がゆっくりと閉じていく中で私は少し身体を伸ばし、そっと、寝ている小林さんの唇に自分の唇を触れさせた。
溢れる思いが止められなかった。
『お疲れ様』とか、『向こうでも頑張ってね』とか労いの言葉はたくさん貰ったのに、今の小林さんの言葉が胸の奥まで沁み渡る。自分で心の中の空洞を感じている。私は不安でいっぱいだった。自分で選んだこととはいえ、フランスでやっていけるのだろうか?
「ありがとうございます」
「さ、寝よ」
「明日は何時に起こしますか?」
「休みだから一緒に朝寝坊する。昼過ぎに起きて、何か食べてから出掛けるつもりだよ」
「どこに行きますか?」
「うーん。俺はどこでもいいけど、美羽ちゃんはどこに行きたい?」
どこに行きたいと言われてすぐに思いつくほど私は情報誌に精通はしていない。会社とマンションの行き帰りの道筋にあるものだけが私の知っている情報だった。それも一本でも幹線道路から入ると分からないという。
「どこでもいいです」
「じゃ、起きてから考える。おやすみ。美羽ちゃん」
「おやすみなさい」
時計の針の音が静かに寝室に響いている。小林さんは本当に疲れているのだろう。帰ってきた時間ギリギリまで仕事をしていたとなると、きっと、かなりの無理をしたのだろう。私と過ごす時間を作るためとはいえ、どれだけ頑張ったのだろうか?
「無理はしないで欲しいです」
シャツ越しに感じる温もりと心音はいつの間にか私も夢の中に誘っていく。視界がゆっくりと閉じていく中で私は少し身体を伸ばし、そっと、寝ている小林さんの唇に自分の唇を触れさせた。
溢れる思いが止められなかった。