あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 今朝の小林さんはどうも私を翻弄する。いつもの頼りがいのある小林さんも好きだけどこんな風に少しはしゃぐ小林さんも好きだった。恋愛なんか皆無だった私の学生時代に小林さんに出会っていたら、私はどうなるのだろう?


 甲子園で投げるくらいの選手だから、きっとこんなに近くに…傍に居ることは出来なかっただろう。今だから傍に居れると思う。


「私もです」


 素直に私は自分の気持ちを言葉にする。


「そんなに真っ直ぐに見つめられると、さっきまでの決意が本気で揺らぎそう」


「え?」


「さ、美羽ちゃんも起きて。俺は水でも浴びてくるよ」


 そういうと小林さんはニッコリと笑い、私の頭をポンポンと撫でるとそのまま寝室を出ていき、バスルームに入って行った。しばらくすると勢いよく水音が聞こえてくる。本当に勢いよく水を浴びているのだろうか?


 私はというと、残されたベッドの上でフッと息を吐いた。かっこよくて素敵過ぎる小林さんの言葉に私は小林さん以上に揺らぎそう。


『一緒にいれたらどこでもいい』


 それが私の気持ちだった。


 五分でシャワーを終らせた小林さんは私の準備が終わる頃には少し髪の乾きは完璧とは言えないけど準備を終らせて一緒に並んで部屋を後にした。


 
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