あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「どうしたの?お腹空いた?」
確かに朝ご飯から少しの時間は過ぎているけど、お腹は空いてない。私が首を振ると、小林さんはニッコリと笑い、私の頭を抱き寄せた。
「そっか。」
小林さんはソファに座るとそのまま私を自分の膝の間に座らせ後ろから抱き寄せている。テレビを見ながら何もしないままに時間だけは過ぎていく。『今日はどこに行く?』と聞かれ、ゆっくりしたいと私は言った。デートも楽しいけど、最後の一日は二人っきりで過ごしたかった。
そして、何もしないまま。
窓の外が藍色に染まるまで私はずっと小林さんの腕に抱かれていた。テレビの内容について言葉少な目に話すくらいで、私を一時も傍から放さないだけで、いつもと何も変わらない。音は鳴っている。借りてきたDVDも一緒だった。笑ってはいた。多分…。
明日の今頃は…。飛行機の中。
「そろそろ寝ようか。」
小林さんがそう言ったのは日付が変わった頃だった。一緒に借りてきた映画のDVDも最後の一本まで見てしまった。内容は殆ど覚えてないけど、ドキドキするようなアクション物が多かったような気がする。笑いが零れるような明るいものを小林さんは選ぶ。わざと明るいものを選んでいるのではないかと思ったけど、私からは何も言えずにそのまま言葉を濁した。
「そうですね。もう遅いですし…」
確かに朝ご飯から少しの時間は過ぎているけど、お腹は空いてない。私が首を振ると、小林さんはニッコリと笑い、私の頭を抱き寄せた。
「そっか。」
小林さんはソファに座るとそのまま私を自分の膝の間に座らせ後ろから抱き寄せている。テレビを見ながら何もしないままに時間だけは過ぎていく。『今日はどこに行く?』と聞かれ、ゆっくりしたいと私は言った。デートも楽しいけど、最後の一日は二人っきりで過ごしたかった。
そして、何もしないまま。
窓の外が藍色に染まるまで私はずっと小林さんの腕に抱かれていた。テレビの内容について言葉少な目に話すくらいで、私を一時も傍から放さないだけで、いつもと何も変わらない。音は鳴っている。借りてきたDVDも一緒だった。笑ってはいた。多分…。
明日の今頃は…。飛行機の中。
「そろそろ寝ようか。」
小林さんがそう言ったのは日付が変わった頃だった。一緒に借りてきた映画のDVDも最後の一本まで見てしまった。内容は殆ど覚えてないけど、ドキドキするようなアクション物が多かったような気がする。笑いが零れるような明るいものを小林さんは選ぶ。わざと明るいものを選んでいるのではないかと思ったけど、私からは何も言えずにそのまま言葉を濁した。
「そうですね。もう遅いですし…」