あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「完徹ですか?」


「うん。だってちょっとの間、美羽ちゃんに会えないから、それまでの分、充電しないといけないと思ってね」



 そういうと、またギュッと抱き寄せる手に力が籠る。そして、額にそっと唇が寄せられると、ドキドキし始めた。ちょっとなはずないのに…。でも…。


「ちょっとっていうけど、二年は長いですよ」


「何言ってるの?二年も俺を放置するつもり?俺が会いに行かないとでも思ったの?」


「え?」


「婚約者の美羽ちゃんに会いに行くのに別に理由は要らないでしょ。自然消滅なんかさせないから。」


 私はフランスに行ったら、もう小林さんには会えないかもしれないとさえ思っていた。仕事も忙しくなるだろうから、メールと電話はすることが出来たとしても、会うのは無理だと思っていた。時差があるから、それも今までみたいにはいかないだろう。


 二年も会わなかったら、いつしか自然消滅もあり得ると思っていた。


 そのくらいの覚悟を私はしている。


 自分の心が揺るがないのは自信がある。それは、私が初恋の人にまた恋をしたから…。ずっと恋は続くから…。


「泊まるところはあるから、飛行機代だけで美羽ちゃんには会いに行ける。休みさえ取れれば俺はパリまで美羽ちゃんに会いに行くから。だからそれまでの分を充電」


 サラッと何事も無いようにいう言葉は思い詰めてしまう私の心をあっさりと包みこむ。私の好きになった人は…。障害を障害とさえ思わない強い人。


「私も帰ってきます。その時はまたここに泊めて貰っていいですか?」
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