あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
私の頭の中に小林さんが紡いでくれる言葉がスッと入り込んできて、ゆっくりと映像化されていく。時折、思いだしたように笑う小林さんの声も心地よかった。
「初めてグローブを買って貰った時はずっと胸に抱え、手にはめ、また胸に抱え、手にはめを繰り返し、夜通しそんなことを繰り返していた。でも、寝坊してしまって…。学校から帰ってきたら、グローブが消えていた」
小学生の小林さんがグローブを抱きしめている姿を想像すると顔が綻ぶ。
「笑ったな」
「だって、寝坊するくらいにって」
「興奮して寝られなかったんだ。夜中に母さんにバレないようにグローブを布団に持ち込んだのはいいけど、だんだん興奮しちゃって。つい。付けたり外したりしていて。そのまま寝たんだよ。で、思いっきり寝坊。小学校から帰ってきたらグローブは母さんに隠されていて…。しばらく家探ししたよ。でも、見つからなくて…。夜中はリビングに置くということで返して貰った」
「どこに隠してあったのですか?」
「どこと思う?」
「棚の中とか?」
「そんなのならすぐに見つけるよ。母さんが隠したのは台所の鍋の中だよ。それも年末にしか使わない大きな鍋の中。」
「初めてグローブを買って貰った時はずっと胸に抱え、手にはめ、また胸に抱え、手にはめを繰り返し、夜通しそんなことを繰り返していた。でも、寝坊してしまって…。学校から帰ってきたら、グローブが消えていた」
小学生の小林さんがグローブを抱きしめている姿を想像すると顔が綻ぶ。
「笑ったな」
「だって、寝坊するくらいにって」
「興奮して寝られなかったんだ。夜中に母さんにバレないようにグローブを布団に持ち込んだのはいいけど、だんだん興奮しちゃって。つい。付けたり外したりしていて。そのまま寝たんだよ。で、思いっきり寝坊。小学校から帰ってきたらグローブは母さんに隠されていて…。しばらく家探ししたよ。でも、見つからなくて…。夜中はリビングに置くということで返して貰った」
「どこに隠してあったのですか?」
「どこと思う?」
「棚の中とか?」
「そんなのならすぐに見つけるよ。母さんが隠したのは台所の鍋の中だよ。それも年末にしか使わない大きな鍋の中。」