あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 もう何日会ってないのだろう。そんなことを考えてしまうのは私が小林さんに会いたくて仕方ないからだと思う。でも、実際には日曜日に会っているのだから、メールだけの日々はたった三日くらいなのに、それでも小林さんに会いたくて仕方ない。


 後、少しで週末という木曜日の夜。私は小林さん欠乏症だった。いつも以上に小林さんに会いたいと思うのは私が今日、中垣先輩にフランス留学を断ることを言ったというのが大きい。自分の決断が間違っているとは思えないけど、小林さんに会えば、私の決断が間違いじゃなかったと確信できる気がした。


 もしも、小林さんと付き合ってなかったら…。私はきっとフランス留学に行っていたと思う。でも、小林さんと出会う前の私ならフランス留学の話は来なかったようにも思う。自分でも分かるくらいに私は小林さんと出会って変わっていっている。


 人と話すのも苦手だったけど、今は前ほど苦手と感じることも少なくなった。そういう面でも私は本社営業一課に行ったことがいい風に動いていると思う。こういうのを人生というのは何が起きるか分からないというのかもしれない。お祖母ちゃんに最期まで一緒に居たいと思う気持ちが新たな出会いを産んだ。今、考えたら、この出会いはお祖母ちゃんがくれた最後のプレゼントだったのかもしれない。


 高見主任を初めとした本社営業一課の人。


 そして、私のことを心から大事に思ってくれる小林さん。


 私は今、本当に幸せだった。

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