あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「小林さんの部屋の鍵は返した方がいいですか?」
私のキーケースには実家の鍵と並んで小林さんのマンションの鍵もついている。俺の所に帰って来てとは言ってくれたけど、このまま二年もマンションの鍵を持っていてもいいのだろうかと思ったからだった。
「返したいの?」
「いえ、あの。…返したくないです。でも、スペアがないと困りません?」
「スペアはまた作ればいいから大丈夫。それは美羽ちゃんのだから、美羽ちゃんが持ってて」
「はい」
「フランスで生活出来るのでしょうか?」
「不安?」
「言葉が違いますし」
スカートの上に置いている手はキュッと握られ、自分だけ分かるくらいに震えている。殆ど日本から出たことのない私がフランスで生活していけるだろうかという不安もある。小林さんに会えない日々がどんなに辛いかもきっと想像以上だろう。
不安でいっぱいだった。
そんな私の手にまた小林さんはゆっくりと手を重ねた。
「フランスには折戸さんもいる。だから、俺はそういう面では安心してる。折戸さんが居れば美羽ちゃんはきっと困ることはないよ。でも、逆に不安もある。折戸さんに美羽ちゃんが惹かれたらって」
確かに折戸さんが居てくれるのは心強い。でも、私が好きなのは小林さんだけで、折戸さんに心揺れることはない。それは断言できる。
「折戸さんはとっても素敵な人だと思うし、フランスでの生活で頼ることもあるかもしれません。でも、私は…私が好きなのは……蒼空さんだけ」
「ありがとう」
私のキーケースには実家の鍵と並んで小林さんのマンションの鍵もついている。俺の所に帰って来てとは言ってくれたけど、このまま二年もマンションの鍵を持っていてもいいのだろうかと思ったからだった。
「返したいの?」
「いえ、あの。…返したくないです。でも、スペアがないと困りません?」
「スペアはまた作ればいいから大丈夫。それは美羽ちゃんのだから、美羽ちゃんが持ってて」
「はい」
「フランスで生活出来るのでしょうか?」
「不安?」
「言葉が違いますし」
スカートの上に置いている手はキュッと握られ、自分だけ分かるくらいに震えている。殆ど日本から出たことのない私がフランスで生活していけるだろうかという不安もある。小林さんに会えない日々がどんなに辛いかもきっと想像以上だろう。
不安でいっぱいだった。
そんな私の手にまた小林さんはゆっくりと手を重ねた。
「フランスには折戸さんもいる。だから、俺はそういう面では安心してる。折戸さんが居れば美羽ちゃんはきっと困ることはないよ。でも、逆に不安もある。折戸さんに美羽ちゃんが惹かれたらって」
確かに折戸さんが居てくれるのは心強い。でも、私が好きなのは小林さんだけで、折戸さんに心揺れることはない。それは断言できる。
「折戸さんはとっても素敵な人だと思うし、フランスでの生活で頼ることもあるかもしれません。でも、私は…私が好きなのは……蒼空さんだけ」
「ありがとう」