あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
時間というのは止まらなくて、確実に時を刻む。私と小林さんとの間の時間も確実に流れていて、搭乗手続きを考えると行かないといけない時間になっていた。後、少しの後には別れの時間が近づいている。でも、私はそのことが分かっていても口にすることが出来なかった。
小林さんと離れたくなかった。自分で決めたのに、ここまで来ているのに。
「そろそろだね」
先にそのことを口にしたのは小林さんだった。ニッコリと笑って、今から遊びにでも行くように私の手をそっと握る。温もりに包まれた私の手には優しさがゆっくりと伝わってくる。
「乗り遅れないようにしないと」
空港の雑踏は飛行機の離陸と共に慌ただしさを増していく。何度も何度も繰り返される慌ただしさはついに私の番になってしまった。アナウンスが空港の雑踏の中でもしっかりと耳に届いてきた。搭乗口まで来ても小林さんの手はずっと私の手を握ったままだった。
「行ってきます」
「身体に気を付けて」
泣きそうになるのを必死で堪え、ゆっくりと口の端を上げる。小林さんに見せる最後の表情は笑顔がよかった。泣いてしまったら、きっと、小林さんを心配させてしまう。たくさんの人は居るのに私には小林さんしか見えない。とっても騒がしいのに…小林さんの息遣いまで聞こえる。私の全ては小林さんに向いている。
「小林さんも」
小林さんが頷いたのを見てから私は搭乗口に向かって歩き出した。一度振り返ると、小林さんがニッコリと笑い、手を振っている。もう一度振り返ると…。まだ私を見つめていた。
小林さんと離れたくなかった。自分で決めたのに、ここまで来ているのに。
「そろそろだね」
先にそのことを口にしたのは小林さんだった。ニッコリと笑って、今から遊びにでも行くように私の手をそっと握る。温もりに包まれた私の手には優しさがゆっくりと伝わってくる。
「乗り遅れないようにしないと」
空港の雑踏は飛行機の離陸と共に慌ただしさを増していく。何度も何度も繰り返される慌ただしさはついに私の番になってしまった。アナウンスが空港の雑踏の中でもしっかりと耳に届いてきた。搭乗口まで来ても小林さんの手はずっと私の手を握ったままだった。
「行ってきます」
「身体に気を付けて」
泣きそうになるのを必死で堪え、ゆっくりと口の端を上げる。小林さんに見せる最後の表情は笑顔がよかった。泣いてしまったら、きっと、小林さんを心配させてしまう。たくさんの人は居るのに私には小林さんしか見えない。とっても騒がしいのに…小林さんの息遣いまで聞こえる。私の全ては小林さんに向いている。
「小林さんも」
小林さんが頷いたのを見てから私は搭乗口に向かって歩き出した。一度振り返ると、小林さんがニッコリと笑い、手を振っている。もう一度振り返ると…。まだ私を見つめていた。