あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「さあ、もうそろそろ美羽ちゃんの住むアパルトマンに着くよ。ここは日本企業で働く人がたくさん住んでいる地域で、治安はいい方だし、近くにマルシェもあるので生活はしやすいと思う。研究所にも利便性はいいよ」


「そうなんですね。どんなところに住むのかと思ってましたが、日本企業に勤めている人が多いなら安心です。研究で遅くなることもあるだろうから、利便性がいいのは助かります」


 折戸さんの車はゆっくりと進み、可愛らしい建物が並ぶ場所に入っていく。このどれであっても私はいいと思えるくらいの素敵な建物で、ドキドキする。


「俺も美羽ちゃんの部屋の近くに住んでいるよ。一緒のアパルトマンではないけど、徒歩圏内だから困ったことがあればいつでも呼んでくれていいよ。研究所と支社は同じ敷地内にあるから、通勤も殆ど一緒の時間になると思うよ」


 折戸さんが近くに住んでいるというのはとっても安心できる。プロポーズを断っているのだから、頼ることは出来るだけするつもりはないけど、本当に困った時はきっと私は頼ることになると思う。研究所と支社が一緒の敷地内にあるのなら、会うことも増えるだろう。


「よろしくお願いします。」


「勿論だよ」


 折戸さんの運転する車はパリの郊外にある綺麗なアパルトマンの前に泊まった。二階建てのアパルトマンでとっても可愛らしい建物で、研究所から帰って寝るだけの場所になると思ったけど、可愛らしい建物はそれだけでやっぱり嬉しいと思ってしまう。


 花壇には誰が植えたのか綺麗な花がたくさん咲いていた。
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