あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 折戸さんは私の頭に形のいい手をポンと乗せると、ニッコリと笑った。まるで小学生の女の子に対するような折戸さんの行動にちょっとドキドキしてしまう。私も酔っているけど、折戸さんも酔っているのだろう。普通に見えるけど、いつもよりも甘い折戸さんがそこにはいて…。


「相変わらず、美羽ちゃんは真面目だね。初めて会った時よりもとっても素敵な女の子になったよね。二年後が楽しみだね」

「そんな…素敵ではないですが、頑張ります」


「そうだね。でも、とりあえずは今日はゆっくりと寝たほうがいいよ。日本から飛行機で来た上に、ワインが入っている。今はワインで気持ちも昂ぶっているかもしれないけど身体は疲れていると思う。で、明日は起きたら俺の部屋をノックしてくれたらいいよ。どうせキャルは起きれないから、俺が買い物とフランス研究所に案内する」


 さっきのキャルさんの様子を見ると、朝に起きれるとは思えない。昼までか、もしかしたら夕方まで眠りの淵から這い上がれないと思う。そのくらいに今日は三人で騒いだ。ワインの空きボトルがそれを物語っている。三人というか、キャルさんの明るさに楽しませてもらったという感じだけど…。


「わかりました。研究所に案内して貰えると助かります。それに買い物も」


 さっき見た時に家具は揃っていた。ベッドの布団も新しいものみたいだし、テーブルや簡単な棚とかもある。だけど、お皿とかはないみたい。日本からは殆ど何も持ってきてないから、こちらで準備をしないといけない。でも、生活用品を買う店なんか私は知らない。


 出勤する前に生活が出来るようにはしないといけないというのは急務でもあった。


< 289 / 498 >

この作品をシェア

pagetop