あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
フランスに来て、自分から選んだ道だったのに、自分の中での甘さが苦しめる。中垣先輩の申し出を受ければ、私は今も日本にいて、小林さんの傍で笑っていたと思う。変わらぬ日常がそこにはあったと思う。
離れるのを選んだのは私。こっちで仕事を頑張ると決めたのも私。小林さんとの約束の詰まった指輪を右手でキュッと包み、私は目を閉じ、言い聞かせるしかなかった。
『頑張れ、私』
明日になれば、きっと笑うことが出来る。寂しさにも慣れるかもしれない。明日は用事がたくさんある。荷物が届く前にこの部屋を整理しておかないといけない。
ベッドに横になり、目を閉じるとワインのアルコールの優しさに包まれた私の身体は次第に意識を奪いながら遠のいていくのを感じた。時間は既に四時を回っていた。ワインのアルコールも徐々に薄れているものの、睡眠に誘うくらいの効果はまだ残している。
少し泣いたせいか、さっきよりも楽にはなった。これなら寝れる。
自分の左手をそっと右手で包み、指輪に囁いた。
「おやすみなさい」
起きて気持ちをすっきりさせてから、小林さんにメールをしよう。こんな泣いてしまった私が文章を書いたなら、言葉の端々に私の気持ちを感じ取った小林さんが心配してしまうかもしれない。起きて、自分を整えからでも遅くない。
小林さんに心配を掛けたくなかった。
ブブブブブ。
離れるのを選んだのは私。こっちで仕事を頑張ると決めたのも私。小林さんとの約束の詰まった指輪を右手でキュッと包み、私は目を閉じ、言い聞かせるしかなかった。
『頑張れ、私』
明日になれば、きっと笑うことが出来る。寂しさにも慣れるかもしれない。明日は用事がたくさんある。荷物が届く前にこの部屋を整理しておかないといけない。
ベッドに横になり、目を閉じるとワインのアルコールの優しさに包まれた私の身体は次第に意識を奪いながら遠のいていくのを感じた。時間は既に四時を回っていた。ワインのアルコールも徐々に薄れているものの、睡眠に誘うくらいの効果はまだ残している。
少し泣いたせいか、さっきよりも楽にはなった。これなら寝れる。
自分の左手をそっと右手で包み、指輪に囁いた。
「おやすみなさい」
起きて気持ちをすっきりさせてから、小林さんにメールをしよう。こんな泣いてしまった私が文章を書いたなら、言葉の端々に私の気持ちを感じ取った小林さんが心配してしまうかもしれない。起きて、自分を整えからでも遅くない。
小林さんに心配を掛けたくなかった。
ブブブブブ。