あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「ありがとうございます」

「え?何が?」


「折戸さんが一緒に居てくれたので楽しかったです。それに、私も研究をしていた身ですので、何か浮かんだ時は必死にその内容を追求します。もし、キャルさんの研究の邪魔にならなかったのなら、それが嬉しいです」


「俺も楽しかったんだよ。可愛い美羽ちゃんを独り占めだしね」


「私も優しい折戸さんを独り占めです。かなり贅沢ですね」


 私の言葉に折戸さんは大きな声を上げて笑い出した。


「俺を独り占めしたい時はいつでもどうぞ。24時間待機して待っているから」


 折戸さんは自分の言葉が面白かったのかずっと顔には笑顔を浮かべている。そして…。私の部屋の前まで送ってくれると、ニッコリと笑った。


「荷物。いっぱいだけど大丈夫?」


 確かに荷物はいっぱいだけど、持っているのは全部折戸さんで私は自分のバッグしか持ってない。


「大丈夫です。あ、先に玄関を開けていいですか?」


「うん。もちろん。で、その荷物を玄関先に置いたら、俺とデートしない?」


 バッグから出した鍵を鍵穴に差し込もうとしていたら、驚くような言葉が耳に届く。言葉の意味が分かるとドキドキしてしまった。


「デートはしません。」


 折戸さんは綺麗な顔に満面の笑みを浮かべ、私を見つめている。そして、前髪をそっと書き上げると魅惑的な微笑みを私に投げ掛けた。


「振られちゃったね。じゃあ、可哀想な俺に食事に付き合ってくれる?一人で食事するよりは二人がいいし、それに俺の行きたい店は一人では入れないんだ」

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