あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「誰?クライアント?また、研究内容の変更があったの?」
「違うわ。とっても凄い美羽のお客様よ」
凄い人?そんな人は頭の中には全く浮かばず、私はキャルに腕を取られて引きずられるように研究所の廊下を歩く。キャルは私が思うよりも怪力で、私の身体はよろめきながら動かされていた。キャルの足が止まったのは第一応接室。ここに通されるのはそれなりの地位にある人だけ。
この部屋を使うレベルの人というのは誰なんだろう??
部屋にノックしてから入るとたくさんの書類をテーブルの上に乗せ、真剣な表情で書類を見つめる顔がある。ここに居ないはずの人に驚きを隠せない。スラッとした体躯に隙の無さを感じさせ、濃紺のスーツが今日も良く似合っていた。無機質な研究所で格段に素晴らしい調度品の揃う第一応接室は研究所に訪れる人のレベルも一流でそこに通されたということは会社に、研究所にとって大事な人。
そこに通されたのは私の元上司で、私が尊敬してやまない人だった。
高見主任。
東京本社営業一課一番の切れ者で、エリート集団営業一課を束ねるその手腕は誰もが認めている。実際に会社の収益のかなりの部分を一課で占めているといっても過言ではない。折戸さんと小林さんが抜けた今でも実績を上げ続けている。トップエリート集団のエースなのは今も健在で、内外問わずに名を轟かせている。ここフランスの研究所にも高見主任の話題は上がっているくらいだった。
「違うわ。とっても凄い美羽のお客様よ」
凄い人?そんな人は頭の中には全く浮かばず、私はキャルに腕を取られて引きずられるように研究所の廊下を歩く。キャルは私が思うよりも怪力で、私の身体はよろめきながら動かされていた。キャルの足が止まったのは第一応接室。ここに通されるのはそれなりの地位にある人だけ。
この部屋を使うレベルの人というのは誰なんだろう??
部屋にノックしてから入るとたくさんの書類をテーブルの上に乗せ、真剣な表情で書類を見つめる顔がある。ここに居ないはずの人に驚きを隠せない。スラッとした体躯に隙の無さを感じさせ、濃紺のスーツが今日も良く似合っていた。無機質な研究所で格段に素晴らしい調度品の揃う第一応接室は研究所に訪れる人のレベルも一流でそこに通されたということは会社に、研究所にとって大事な人。
そこに通されたのは私の元上司で、私が尊敬してやまない人だった。
高見主任。
東京本社営業一課一番の切れ者で、エリート集団営業一課を束ねるその手腕は誰もが認めている。実際に会社の収益のかなりの部分を一課で占めているといっても過言ではない。折戸さんと小林さんが抜けた今でも実績を上げ続けている。トップエリート集団のエースなのは今も健在で、内外問わずに名を轟かせている。ここフランスの研究所にも高見主任の話題は上がっているくらいだった。