あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
ゆるりと二人で歩き出した道の先には群青色の空に淡く霞むかのような月が見える。エッフェル塔の横にある月は蒼く光を放ち、どこか絵画を見つめているような気がした。その仄蒼白い月の光が降り注ぐ中を私と折戸さんは石畳に響く靴音を聞いていた。
折戸さんが予約していたのは大通りから入ったところにある路地の奥にあり、普通の観光客はあまり来ない場所にある。小さな店だけに吟味された素材とワインが楽しめるお店で、私も一度は行きたいと思っていた場所だった。フランスに住んでいるのに、週末はキャルの部屋で飲むことが多かったので、来たことはなかった。
「ほらここ。一度美羽ちゃんと一緒に来たいと思っていたけど、なかなかタイミングがなかったね。高見主任と一緒ならワインも空けれる。楽しみだ」
「あの、私がこんなことを言うのはおかしいのは分かっています。折戸さんは日本に帰国したくないのですか?」
私の方を見つめるとフワッと微笑みを浮かべた折戸さんは静かに私を見つめていた。穏やかな表情を浮かべ、他人事のように静かに言葉を紡ぐ。
「帰らないといけないかもしれないけど、決めてない。美羽ちゃんは俺が帰っても大丈夫?」
クスクスと笑いながら言うものだから私も、どう対応していいかわからない。帰って欲しくはないけど、そんなことを私が言うわけにはいかない。折戸さんを縛ることは私には出来ない。
折戸さんが予約していたのは大通りから入ったところにある路地の奥にあり、普通の観光客はあまり来ない場所にある。小さな店だけに吟味された素材とワインが楽しめるお店で、私も一度は行きたいと思っていた場所だった。フランスに住んでいるのに、週末はキャルの部屋で飲むことが多かったので、来たことはなかった。
「ほらここ。一度美羽ちゃんと一緒に来たいと思っていたけど、なかなかタイミングがなかったね。高見主任と一緒ならワインも空けれる。楽しみだ」
「あの、私がこんなことを言うのはおかしいのは分かっています。折戸さんは日本に帰国したくないのですか?」
私の方を見つめるとフワッと微笑みを浮かべた折戸さんは静かに私を見つめていた。穏やかな表情を浮かべ、他人事のように静かに言葉を紡ぐ。
「帰らないといけないかもしれないけど、決めてない。美羽ちゃんは俺が帰っても大丈夫?」
クスクスと笑いながら言うものだから私も、どう対応していいかわからない。帰って欲しくはないけど、そんなことを私が言うわけにはいかない。折戸さんを縛ることは私には出来ない。