あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「一緒に仕事をしていたし、アパルトマンも隣だったからきっと寂しくなる。でも、キャルの結婚は嬉しい。おめでとう。絶対に幸せになってほしい」


「ありがとう。実は先にこの結婚のことを翔に話していたの。そうしたら、翔にも日本に帰国の話があるって聞いたの。まだ、決定ではないらしいけど、さっきの電話の件は…多分、その事よね」


「分からないけど、さっきの感じじゃそうかもしれない」


「私が自分が結婚することによって、美羽を一人にしてしまうから、その件で翔に話に言ったの。で、そうしたら、翔も美羽のことを私に頼みたかったって、そして、何って言ったと思う?」


「分からないわ」

「美羽を一人にしてしまうって」


 折戸さんの思いやり。キャルの思いやり。


 二人の優しさに私は瞳に涙が浮かぶのを抑えられなかった。こんなにも私は二人に大事にされていた。自分で頑張っているつもりでも、私はこの大好きな二人に支えられている。


「心配してくれてありがとう」


 私はそういうとキャルは首を振った。


「ううん。だって、私。美羽のこと大好きよ。ずっと一緒に研究していきたいと思ってたの。でもね、彼と結婚もしたいの。大好きだから」


 キャルに彼がいることは前々から知っていた。でも、研究が忙しくて中々会えないことも。そんな二人にいつかは結婚の話が出るかもしれないと思っていたから、驚いたものの、納得してしまう。折戸さんの帰国がほぼ決まった今。三人で過ごしたあの思い出のありすぎるアパルトマンに一人で住むのは寂しいことを想像が容易かった。

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