あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
強くなったとはいえ、それでも小林さんのペースに巻き込まれると私は一気に酔ってしまう。でも、目の前に小林さんが居るというのが仕事で疲れた身体と心を癒していく。テーブルに並べられた料理も絶品でどれもこれも美味しい。たくさんの種類の料理を少し味見するように食べる私は十分に贅沢だった。
「美羽ちゃんの仕事はどう?俺はもう高見主任のせいで溜め息が吐きたくなるくらいに忙しい。うちの課長が俄然やる気を出してしまったんだ。発破掛けるのはいいけど、それにも加減があるだろ。本当に人を動かすのが上手いよ」
小林さんは小鉢に盛られた枝豆をつまみながらフッと息を吐く。そして、器用に翡翠色の豆を取り出すと口に運ぶ。大きな手で小さな枝豆を一つずつ摘まんでいるのがとっても可愛い。
「うちも同じです。毎日残業の連続ですが中垣先輩が頑張ってます。今日は中垣先輩が早く帰ったので私もこのくらいの時間に帰れました。でも、約束どおり終電には絶対に乗るようにしています」
「そっか。研究所も大変なんだね。終電まで頑張るのはいいけど、乗り遅れたら俺に連絡して。美羽ちゃんに堂々と会う口実になるから」
小林さんは私の仕事の忙しさも何もかも理解してくれた上でこんな風に優しい言葉を掛けてくれる。終電というのは小林さんの中での最大限の譲歩。でも、それが重くならないように言ってくれる。それに、小林さんが私を理解してくれることで私は自分を保つことが出来ている。
研究職というのはどうしても結果が出ないことが多い。実験も考察も思い通りの結果が出ない時は正直、かなり凹む。でも、小林さんのように自分の仕事を認めて貰えるだけでも心が安らぐ。
いつからか、私の中で小林さんが理解してくれているということが掛け替えのないものになっていて、仕事の厳しさを包み込むような優しさをくれる。
「もう一杯飲んでもいいですか?」
「いいよ。酔っぱらっても送っていくから。で、ビールでいいの?」
「はい。今日はビールで」
「美羽ちゃんの仕事はどう?俺はもう高見主任のせいで溜め息が吐きたくなるくらいに忙しい。うちの課長が俄然やる気を出してしまったんだ。発破掛けるのはいいけど、それにも加減があるだろ。本当に人を動かすのが上手いよ」
小林さんは小鉢に盛られた枝豆をつまみながらフッと息を吐く。そして、器用に翡翠色の豆を取り出すと口に運ぶ。大きな手で小さな枝豆を一つずつ摘まんでいるのがとっても可愛い。
「うちも同じです。毎日残業の連続ですが中垣先輩が頑張ってます。今日は中垣先輩が早く帰ったので私もこのくらいの時間に帰れました。でも、約束どおり終電には絶対に乗るようにしています」
「そっか。研究所も大変なんだね。終電まで頑張るのはいいけど、乗り遅れたら俺に連絡して。美羽ちゃんに堂々と会う口実になるから」
小林さんは私の仕事の忙しさも何もかも理解してくれた上でこんな風に優しい言葉を掛けてくれる。終電というのは小林さんの中での最大限の譲歩。でも、それが重くならないように言ってくれる。それに、小林さんが私を理解してくれることで私は自分を保つことが出来ている。
研究職というのはどうしても結果が出ないことが多い。実験も考察も思い通りの結果が出ない時は正直、かなり凹む。でも、小林さんのように自分の仕事を認めて貰えるだけでも心が安らぐ。
いつからか、私の中で小林さんが理解してくれているということが掛け替えのないものになっていて、仕事の厳しさを包み込むような優しさをくれる。
「もう一杯飲んでもいいですか?」
「いいよ。酔っぱらっても送っていくから。で、ビールでいいの?」
「はい。今日はビールで」