あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「今はホテルだから。大丈夫だよ。今日、日本に帰るかと思うと、美羽ちゃんの声が聴きたくなった。フランス最後の夜だから感傷に浸っているのかも」
すぐそこにいるのに、折戸さんはホテルにいるという。私に気を使わせないと分かっている言葉だから、私も騙されたことにする。玄関の所に座ると携帯から聞こえる声に耳を傾けた。静かに紡がれる言葉は折戸さんの真摯な気持ちに他ならなった。
「大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫。今日は最後の夜だからって、しつこく飲まされた。明日、飛行機の中で吐いたらあいつらのせいだよな。CAさんに迷惑を掛けないといいけど」
「大丈夫ですよ。きっと」
「だといいけど、俺、美羽ちゃんをフランスに残して帰るのはとっても心配なんだ。キャルも結婚して研究所を止めると聞いている。そんな中で美羽ちゃんは大丈夫かって。でも、美羽ちゃんなら一人でも頑張れると信じている。何を言っているんだか、俺の方が寂しいのかもな」
「折戸さんが居なくなると寂しいですよ」
私がそういうと、折戸さんがクスッと笑った声が耳に届いた。少し折戸さんはワインの酔いが覚めてきているように感じる。言葉の語尾から熱っぽさが消えていた。
「寂しい?」
「当たり前です。寂しいです。でも、頑張って欲しいと思うから、明後日は笑って見送るつもりです」
「美羽ちゃんは頼もしいな」
すぐそこにいるのに、折戸さんはホテルにいるという。私に気を使わせないと分かっている言葉だから、私も騙されたことにする。玄関の所に座ると携帯から聞こえる声に耳を傾けた。静かに紡がれる言葉は折戸さんの真摯な気持ちに他ならなった。
「大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫。今日は最後の夜だからって、しつこく飲まされた。明日、飛行機の中で吐いたらあいつらのせいだよな。CAさんに迷惑を掛けないといいけど」
「大丈夫ですよ。きっと」
「だといいけど、俺、美羽ちゃんをフランスに残して帰るのはとっても心配なんだ。キャルも結婚して研究所を止めると聞いている。そんな中で美羽ちゃんは大丈夫かって。でも、美羽ちゃんなら一人でも頑張れると信じている。何を言っているんだか、俺の方が寂しいのかもな」
「折戸さんが居なくなると寂しいですよ」
私がそういうと、折戸さんがクスッと笑った声が耳に届いた。少し折戸さんはワインの酔いが覚めてきているように感じる。言葉の語尾から熱っぽさが消えていた。
「寂しい?」
「当たり前です。寂しいです。でも、頑張って欲しいと思うから、明後日は笑って見送るつもりです」
「美羽ちゃんは頼もしいな」