あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「私も好き。でも、あんまり見ないで、ぷにぷにしているし」


 小林さんの視線の先に私の身体があるかと思うと、恥ずかしくて仕方ないのにそれでも抱かれる熱に身体が蕩けていく。高校まで野球をしていた小林さんの身体は引き締まっていて、それこそ綺麗な筋肉がついている。それに比べると…私は運動不足というか、あまりメリハリのない体型で毛布で隠してしまいたいくらいだった。


「そう?綺麗だと思うよ。俺、今。めちゃドキドキしているし、もう、先に謝った方がいいかなって思うくらい」

「何で謝るの?」


「きっと優しく出来ないから。今、こうやって話して少しは気持ちを落ち着けようとしたけど、無理」


 小林さんの恥ずかしくなるような言葉を聞きながら私はそっと視線を外したのに、それさえも小林さんは許してはくれない。小林さんが私の背中にそっと指を撫でるとくすぐったさに背筋が伸びる。クッと上を向いた瞬間に私の唇には小林さんの唇が重ねられた。そして、ゆっくりと首筋から小林さんの唇が私の体中に唇を落としていく。


 触れる度にそこから花びらが零れるかのように熱を帯びていくのを感じる。月明かりだけが照らす寝室のベッドでは私の身体が何度も揺れていた。零れる甘い声に自分でも恥ずかしくなるけど、止めることは出来なかった。唇を噛んで我慢しようとする声は小林さんの唇に絡め取られてしまう。


 私の汗ばみながら身体は弧を描くように揺れ、静かにベッドのシーツに落ちていく。サラッとしたシーツを肌に感じ、今、一番好きな人に抱かれているのを実感した。
< 407 / 498 >

この作品をシェア

pagetop