あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
私はつい、視線を窓辺に移す。既に部屋の中は暗く、電気を付けている状態なのに、小林さんが私を見つめる視線はとっても優しくて…そして、真剣だった。拒否権ないっていうけど…。拒否するつもりもない一緒に居れるならどこでもいいし、ずっと寝てしまっていた一日を取り返したいとも思った。


「少し遅くなりましたが出掛けますか?昨日とは違う場所でもいいですよ。車ですか?」


 パリ近郊は見て回るところも多く。いくつもの観光スポットもある。有名どころではルーブル美術館。ベルサイユ宮殿。ノートルダム大聖堂。モン・サン・ミッシェル。オペラガルニエ。凱旋門にエッフェル塔。シャンゼリゼ。は昨日のドライブで観光済み。この時間だから、さすがにモン・サン・ミッシェルとか美術館関係は無理だろうけど、一番最初にナイトショーというのも…。なんか違う気がする。


 頭の中で少ない知識を総動員するけど場所が思いつかない。有名なリドのナイトショーとかムーランルージュとかはシャンパンを飲みながらだと素敵とキャルは言っていたけど、小林さんが見て喜ぶかと思うとそれは微妙。


 その前に、どうやって行くの?
 やっぱり車??


「ううん。車は使わない。いくら国際免許を持っていると言っても、さすがに夜の運転は自信がないよ。自分だけならいいけど、美羽ちゃんを乗せるのに、そんな危ないことは出来ないかな」


「じゃあ、どこに行きましょうか?行きたいところがありますか?」


「エッフェル塔に行きたい。」


 小林さんは私の質問に即答した。でも、まさかそんな場所を小林さんが言うとは思わなかったので少し驚いた。私はこの時間で車で動かないから観光とかじゃなくて一緒に食事とかを想像していた。
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