あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
前に小林さんが私のマンションにきてくれたのは付き合う前のこと。ハンバーグを作るからと呼んで来てもらったのが最初だった。でも、あの時からそんなに時間は経ってないのに、今の私と前の私は違う。
あの時は同僚で今は彼女。
アルコールの力が私の甘えたいと思う心に拍車を掛ける。このまま甘えたい。いつもなら深呼吸してからでないと言えないような言葉が口から零れてくる。自分の行動も心も制御できなかった。私は自分の身体をそっと支えてくれる小林さんの身体に抱きつくと、その逞しい胸に頬を寄せ、シャツ越しに呟く。
「帰らないで」
小林さんの事を思うと言ってはいけない言葉だったのにこんなにも簡単に私の唇から零れる。頭の奥で微かに残っている理性を自分の甘えた気持ちが押し潰すのを感じた。アルコールの酔いが私の衝動を突き動かしていた。
「帰らないと仕事でしょ。美羽ちゃんも俺も」
小林さんが言っているのは間違いない。明日もきっと仕事は忙しい。
「帰らないで」
私の二度目の言葉に小林さんはゆっくりと私の身体を抱きしめた。そして耳元で囁く。甘く掠れた声が耳をアルコールの熱さではない熱さを伝えてくる。
「甘えるね。今日は」
「ダメ?」
「ダメじゃないよ。美羽ちゃん。バックから鍵を出して」
私は自分のバッグから鍵を出すと、部屋の鍵穴に差し込む。でも、うまく入らない。
「貸して」
そういうと小林さんは私の手から鍵を取ると、スッと鍵穴に差し込んで鍵を開けた。
カチッという小さな音が聞こえたかと思うと、フワッと開かれる私の部屋のドア。そして、ドアが急に閉まり、真っ暗な空間に包まれる。玄関のライトをつけるスイッチに手を伸ばすとするとその手を小林さんに掴まれ、そして、身体は逞しい腕に包まれた。
あの時は同僚で今は彼女。
アルコールの力が私の甘えたいと思う心に拍車を掛ける。このまま甘えたい。いつもなら深呼吸してからでないと言えないような言葉が口から零れてくる。自分の行動も心も制御できなかった。私は自分の身体をそっと支えてくれる小林さんの身体に抱きつくと、その逞しい胸に頬を寄せ、シャツ越しに呟く。
「帰らないで」
小林さんの事を思うと言ってはいけない言葉だったのにこんなにも簡単に私の唇から零れる。頭の奥で微かに残っている理性を自分の甘えた気持ちが押し潰すのを感じた。アルコールの酔いが私の衝動を突き動かしていた。
「帰らないと仕事でしょ。美羽ちゃんも俺も」
小林さんが言っているのは間違いない。明日もきっと仕事は忙しい。
「帰らないで」
私の二度目の言葉に小林さんはゆっくりと私の身体を抱きしめた。そして耳元で囁く。甘く掠れた声が耳をアルコールの熱さではない熱さを伝えてくる。
「甘えるね。今日は」
「ダメ?」
「ダメじゃないよ。美羽ちゃん。バックから鍵を出して」
私は自分のバッグから鍵を出すと、部屋の鍵穴に差し込む。でも、うまく入らない。
「貸して」
そういうと小林さんは私の手から鍵を取ると、スッと鍵穴に差し込んで鍵を開けた。
カチッという小さな音が聞こえたかと思うと、フワッと開かれる私の部屋のドア。そして、ドアが急に閉まり、真っ暗な空間に包まれる。玄関のライトをつけるスイッチに手を伸ばすとするとその手を小林さんに掴まれ、そして、身体は逞しい腕に包まれた。