あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 指輪の交換も誓いのキスも式の中に組み込まれる儀式的なものだと分かっているけど、自分の大事な人の結婚式となるとこんなにも違うのだろうか。結婚式はつつがなく終わりを迎え、キャルは彼に手を取られて教会を出て行く。きっとキャルのことだから自分で幸せを手繰り寄せるとは思いながらも少しでもと思い、幸せを願った。


「キャルが綺麗で幸せそうでよかった」

「はい」


 横で折戸さんの言葉に頷く。折戸さんとキャルと私は一緒に過ごす時間も長かった。その楽しかった時間の分、思い出はたくさんある。


「そろそろ見送りの時間かな」

「そうですね。やっぱり白いオープンカーで行くのかしら」


「どうだろ。でも、白いオープンカーに乗れるのもそうないから、キャルなら乗ると思う」


 教会を出ると、新郎新婦を見送ろうとたくさんの人が教会から道路への道に並んでいる。その先には車が用意されてあり、そのまま新婚旅行に行くのだろう。私も見送るその列に並び、横には折戸さんも並ぶ。新郎新婦が出てくるのを待っていると付添人だった女の人が花びらの入った籠を招待客に手渡していく。


 階段下には…予想通りの白のオープンカーが用意されていた。


「当たりましたね」


「ああ」


「これは後から思いっきり冷やかせる」


 教会のドアが開き、新郎新婦が出てきたのはそれから直ぐでキャルの幸せそうな笑顔に胸が温かくなる。手にある籠から花びらを取ると風に舞わせた。花弁は風に乗り、ゆっくりとキャルの上に舞っていく。真っ白な花びらやピンクの花びらがとっても綺麗だった。


「幸せそうだな」


 折戸さんの声はとっても優しかった。
< 441 / 498 >

この作品をシェア

pagetop