あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 私の好みは渋みが強いのは苦手。どちらかというと舌触りが軽く喉越しが柔らかいワインが好きだった。三人で飲む時は一晩に何本ものワインを開けるので色々な味を楽しむことが出来た。その中で一番気に入っていたのを折戸さんは選んでくれた。


 折戸さんの好みは芳醇な香りがする熟練された味。でも、今日は私に合わせてくれている。テーブルに並ぶのはワインと定番のチーズ。折戸さんのお気に入りの料理と私の好きな料理。


 大好きな料理を口に運ぶとまろやかな味が口一杯に広がった。美味しいものを食べているとなんでこんなに幸せになるんだろう。


 久しぶりに来たけど、本当にこの店の料理は美味しい。


「美味しいです。本当に」


「よかった。さ、料理もいっぱいあるから一緒に楽しもう」



 一緒に食事をしながら話すのは今日のキャルの結婚式のこと。キャルのウェディングドレス姿を思い出す。真っ白なドレスはとっても綺麗だった。


「キャルはとっても綺麗でした。それに幸せそうでした」


「そうだね。キャルは綺麗だった。でも、美羽ちゃんも今日は可愛いよ」


 目を細め眩しそうにしながら私を見つめる折戸さんはその視線の甘さは私をドキドキさせる。私も確かにいつもよりは少しだけ綺麗な格好をしている。でも、折戸さんの煌びやかさに比べたら、私は一気に霞む。でも、折戸さんの視線は真剣で少しの甘さを感じさせた。


「からかわないでください」


「からかってないよ。本音。美羽ちゃんは可愛い。でも、蒼空との結婚式はもっと綺麗だろうね。楽しみだね」


 折戸さんが甘く優しいのは前から知っているけど、これは恥ずかしすぎる。今日は少しアルコールが入っているからか、いつも以上に甘い気がする。
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