あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「酔ってます?」


「少しね。たった一ヶ月なんだけど、久々に会うとワインが進む。日本にもワインはあるけど、こっちの方で飲むのが本当に美味しい」


「飲み過ぎないでくださいね」


「ああ。そこは大丈夫。でも、美羽ちゃんは一人になるけど大丈夫?俺も日本に帰国して居ないし、キャルが居なくなるから美羽ちゃんが一人になるのが心配だよ」


「キャルがいないと寂しいと思います。でも、キャルの分も仕事を頑張ろうと思っています。だから大丈夫です」


「美羽ちゃんらしい。そういえば、蒼空もかなり仕事を頑張っている。まだ日本に帰国して一か月なんだけど、本社にまで蒼空の名前が聞こえてくる。美羽ちゃん頑張っているし、蒼空も頑張っている。お互いにいい時間を過ごしているね」


「私なりに頑張ってますが、まだまだです。でも、キャルの結婚式まで必死に二人で頑張ったんですよ」


「うん。それは昨日フランス支社で聞いてきた。かなり研究が進んだらしいね」


「はい。でも、まだ今からです。折戸さんの方は本社どうですか?」


「元々いた場所だから、古巣に戻ったという感じかな。高見課長の下で働くのはある意味楽だよ。仕事は大変だけど、仕事の呼吸は分かっているからね。俺も俺で頑張っている」


 本社営業一課はそんなに甘い場所ではない。以前に高見課長が見せた強さを今は主任になった折戸さんが見せるのだろうか。主任は課内の誰よりも成績を上げることは必須となっていて、本社営業一課でその課を背負うということ。


 楽なものではないのは分かっていた。でも、折戸さんはそれを見せない。
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