あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「美羽ちゃんが望むなら、また、本社営業一課で一緒に仕事する?」
本社営業一課での毎日は楽しかった。新しい世界のドアを開けていくような毎日であったけど、心の奥底で私は研究に未練を残していた。だから、私は静岡研究所での仕事を選んだ。そして、今はフランス研究所まで来ている。天職だと自分では思っている。
「私は研究所が性に合ってます」
「残念」
残念と言いながらも全くそうは見えない。クスクス笑いながらワインをまた傾けていた。折戸さんと一緒にワインを飲みながら話をしていると楽しくて優しい気持ちになれる。そして時間は確実に過ぎていた。
「そろそろ帰ろうか?眠いでしょ」
それは店に入って二本目のワインが空になりかけた頃のことだった。今日はキャルの結婚式だったから、お祝いも兼ねて少し上等のワインを開けている。口当たりのいいワインは徐々に私を緩ませていっていた。連日の過密スケジュールは身体の奥底に疲れを蓄積させている。でも、まだ飲みたいという気持ちもあった。
「もう少し飲みませんか?」
「美羽ちゃんは大丈夫?」
「折戸さんが大丈夫なら」
「なら、もう一本くらい飲もうか」
仕事の話、日常の話。そんなたわいもない話をしながら、もう一本分のワインを開ける。グラスに注がれるワインを見ながら私はまた顔を緩ませた。
「本当に美羽ちゃん。ワインに強くなったね」
「キャルと折戸さんに鍛えられましたから」
「キャルと一緒にしないで」
そう言って折戸さんと一緒に笑ったのだった。
本社営業一課での毎日は楽しかった。新しい世界のドアを開けていくような毎日であったけど、心の奥底で私は研究に未練を残していた。だから、私は静岡研究所での仕事を選んだ。そして、今はフランス研究所まで来ている。天職だと自分では思っている。
「私は研究所が性に合ってます」
「残念」
残念と言いながらも全くそうは見えない。クスクス笑いながらワインをまた傾けていた。折戸さんと一緒にワインを飲みながら話をしていると楽しくて優しい気持ちになれる。そして時間は確実に過ぎていた。
「そろそろ帰ろうか?眠いでしょ」
それは店に入って二本目のワインが空になりかけた頃のことだった。今日はキャルの結婚式だったから、お祝いも兼ねて少し上等のワインを開けている。口当たりのいいワインは徐々に私を緩ませていっていた。連日の過密スケジュールは身体の奥底に疲れを蓄積させている。でも、まだ飲みたいという気持ちもあった。
「もう少し飲みませんか?」
「美羽ちゃんは大丈夫?」
「折戸さんが大丈夫なら」
「なら、もう一本くらい飲もうか」
仕事の話、日常の話。そんなたわいもない話をしながら、もう一本分のワインを開ける。グラスに注がれるワインを見ながら私はまた顔を緩ませた。
「本当に美羽ちゃん。ワインに強くなったね」
「キャルと折戸さんに鍛えられましたから」
「キャルと一緒にしないで」
そう言って折戸さんと一緒に笑ったのだった。