あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
私の住んでいるアパルトマンの前まで来ていた。いつもなら一緒に階段を上るのに、今日は折戸さんは少し先にあるホテルの部屋に帰ることになっている。キャルもいないアパルトマンに一人で帰るのが怖いと思っていたけど、ここまで送って貰って、気持ちも楽になっている。
「送ってくださってありがとうございました」
「酔っている美羽ちゃんを一人で帰せないし、酔ってなくてもだけどね」
そう言ってまたクスクス笑いながら、私の方を見つめた。
「またね。美羽ちゃん」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみ」
折戸さんに見送られて自分の部屋に入ると思ったよりもすっきりした自分がいるのに気付く。いつも以上にワインを飲んだので眠さはある。でも、もっと寂しい思いをするのではないかと思っていたけど、寂しいという気持ちよりも眠気の方が強かった。
着ていた結婚式用のシフォンのワンピースを脱ぎ捨て、シャワーを浴びてから寝室にいくとそのまま髪を乾かさずにタオルを巻いたままベッドにダイブした。軋むベッドのスプリングの音を聞いているとまた眠気が襲ってくる。このままねたら駄目だと分かっている。
とりあえず目ざまし時計のセットはしないといけない。優しい眠りが私を包む前にと思い…私は枕元の時計に手を伸ばしたのだった。
時間は折戸さんの出発の二時間前。勿論、見送りに行くつもりだった。
「送ってくださってありがとうございました」
「酔っている美羽ちゃんを一人で帰せないし、酔ってなくてもだけどね」
そう言ってまたクスクス笑いながら、私の方を見つめた。
「またね。美羽ちゃん」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみ」
折戸さんに見送られて自分の部屋に入ると思ったよりもすっきりした自分がいるのに気付く。いつも以上にワインを飲んだので眠さはある。でも、もっと寂しい思いをするのではないかと思っていたけど、寂しいという気持ちよりも眠気の方が強かった。
着ていた結婚式用のシフォンのワンピースを脱ぎ捨て、シャワーを浴びてから寝室にいくとそのまま髪を乾かさずにタオルを巻いたままベッドにダイブした。軋むベッドのスプリングの音を聞いているとまた眠気が襲ってくる。このままねたら駄目だと分かっている。
とりあえず目ざまし時計のセットはしないといけない。優しい眠りが私を包む前にと思い…私は枕元の時計に手を伸ばしたのだった。
時間は折戸さんの出発の二時間前。勿論、見送りに行くつもりだった。