あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
『また、待たせますよ。まだ、二年目の留学期間も終わってないのに』


『そうだね。でも、美羽ちゃんを失うなんて考えられないから待つよ。優秀な研究員の彼女を持つ俺は頑張らないといけないな。フランスへの渡航費を稼ぐために頑張るのも悪くない。仕事頑張れば美羽ちゃんに会えると思ったらそれはそれでいいよね』


 小林さんは私の悩みがなんでもないかのように言う。でも、これからの時間は一年以上もある。留学期間がまた振り出しに戻ることになる。


『美羽ちゃん。俺に仕事があるように、美羽ちゃんにも研究があるのは一緒だよね。俺にとって仕事は大事。美羽ちゃんも研究が大事。一緒だよ』


 小林さんの言葉は胸に染み、そして、涙と静かに零れていく。私は小林さんに気付かれないように涙を拭いた。でも、そんな誤魔化しは通じなかった。


『美羽ちゃんの今の気持ち教えて』


 自分の素直な気持ちを言葉にする。


 これは小林さんと出会ってから何度も自分の気持ちを言葉にしてきた。


『私は小林さんと一緒に居たいです。でも、研究も好きです。でも、小林さんと研究のをどちらか一つを選ぶなら、私は小林さんと一緒に生きることを選びたいです』


 どちらかを選ぶなら、私は小林さんと一緒に居たいと思う。フランスに来て研究としては満たされた内容であるけど、募る思いを消すことは出来なかった。

 

『その言葉だけで嬉しい。美羽ちゃんが思いっきり研究して成果を上げることが出来るまで俺は待つ』


『…。』
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