あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
小林さんはドアを開けると私の手を引いて中に入っていく。そこには誰も居ないけど、親しみやすい感じがする。祭壇の前まで歩いていくと足が止まりそうになる私の手ゆっくりと引いた。緩やかに差し込むステンドグラス越しの陽の光が小林さんと私を包んでいて、荘厳な圧迫感はないけど、それでも清涼な雰囲気は感じ取れた。
「誰も居ないけど勝手に入っていいんですか?」
「電話をしていたから大丈夫。もう少ししたら、教会の人が来るから心配しなくていいよ」
小林さんの言葉に少し安心すると、私が祭壇の向こうに見えるステンドグラスに目を奪われていた。視線を奪われている私の身体を小林さんが後ろから抱きしめた。フワッと包まれる温もりに本当に帰ってきたのだと改めて思った。
「教会の人来ますよ」
「美羽ちゃんを感じさせて。この協会は俺と美羽ちゃんの結婚式をしたいと思っている場所だよ。美羽ちゃんが協会が嫌なら神社でもいい」
フランス留学から戻ったら結婚とは言っていたけど、空港から教会に連れて行かれるとは思いもしなかった。教会にいるのに現実味が湧かないのはなんでなんだろう。夢を見ているのではないかと思うくらいに現実味がない。
「結婚式ですか?」
「ああ。俺と美羽ちゃんの結婚式をしたいと俺が勝手に思っている場所」
小林さんはゆっくりと腕の力を緩め、私の前にスッとたった。そして、真剣な瞳を私に向けていた。
「この間、俺が研修ということでフランスに行ったよね。その時に指輪も買ったけど、それ以上にこれからの俺と美羽ちゃんのことを考えた。付き合い初めてすぐの時期に俺は美羽ちゃんを『婚約』という形で縛った。我ながら余裕がなかったと今になれば思う。でも、あの時の俺は美羽ちゃんをどうしたら自分の傍に引き寄せられるかしか考えてなかった」
「誰も居ないけど勝手に入っていいんですか?」
「電話をしていたから大丈夫。もう少ししたら、教会の人が来るから心配しなくていいよ」
小林さんの言葉に少し安心すると、私が祭壇の向こうに見えるステンドグラスに目を奪われていた。視線を奪われている私の身体を小林さんが後ろから抱きしめた。フワッと包まれる温もりに本当に帰ってきたのだと改めて思った。
「教会の人来ますよ」
「美羽ちゃんを感じさせて。この協会は俺と美羽ちゃんの結婚式をしたいと思っている場所だよ。美羽ちゃんが協会が嫌なら神社でもいい」
フランス留学から戻ったら結婚とは言っていたけど、空港から教会に連れて行かれるとは思いもしなかった。教会にいるのに現実味が湧かないのはなんでなんだろう。夢を見ているのではないかと思うくらいに現実味がない。
「結婚式ですか?」
「ああ。俺と美羽ちゃんの結婚式をしたいと俺が勝手に思っている場所」
小林さんはゆっくりと腕の力を緩め、私の前にスッとたった。そして、真剣な瞳を私に向けていた。
「この間、俺が研修ということでフランスに行ったよね。その時に指輪も買ったけど、それ以上にこれからの俺と美羽ちゃんのことを考えた。付き合い初めてすぐの時期に俺は美羽ちゃんを『婚約』という形で縛った。我ながら余裕がなかったと今になれば思う。でも、あの時の俺は美羽ちゃんをどうしたら自分の傍に引き寄せられるかしか考えてなかった」