あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 これからどんなに辛く悲しいことがあっても小林さんに付いていくと、神様に…そして、この私の大事な人たちに誓いたい。今のこの気持ちをずっと忘れずに胸に秘めて生きていこうと思う。


 祭壇の前に来ると、小林さんが一歩前に出て父に頭を下げてから私の手をゆっくりと握り、自分の腕に絡ませた。

「小林君。美羽を頼む」


「はい」


 二人で祭壇の前に立つと静かに神父様の優しく思いやりに満ちた声が教会の中に響きだした


「健やかなる時も、病める時も、喜びの時も悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」


「誓います」


 私は神様だけでなく、ここにいる全ての人に誓いたいと思う。これまで以上に小林さんを大事にして、愛して、そして、私と結婚してよかったと、誰よりも幸せだと思って貰えるように努力します。


 今まで離れ離れだった分、ずっと一緒に居たいと一緒に幸せになりたいと思った。


「指輪の交換を…。」


 神父様はリングピローに乗せられたリングを小林さんの前に出すと、そこにはあの日、フランスで買った指輪は乗せられていた。あの時も綺麗だと思ったけど、改めてみると一段と輝いて見える。小林さんは私の左手の薬指にそっと嵌めると、私も同じように小林さんの薬指に嵌めた。お揃いのキラキラ輝く指輪が私と小林さんの左手の薬指に光っていた。
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