あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
集中して仕事をすると一気に時間の流れが加速するのだろうか。キーボードを叩く音は止むこともなく続く。ふと何時だろうと時計を見て唖然としたのは思ったよりも時間が過ぎていてすでにブラインドから差し込む光はない。むしろこの研究室から零れる光が研究所の中庭を照らしているのだろう。
時計を見て急に空腹感に包まれた。気分を変えるために飲むコーヒーは空腹を満たすことは出来ない。途中でサンドイッチを摘んだのはいつだろう。それさえも覚えてないくらいに記憶は曖昧で、私は仕事に没頭していた。時間は午後七時半。空腹を感じた私は研究所の前にあるコンビニにでも行こうかと思った。
中垣先輩の真剣な表情からはまだ今日の仕事が終わる気配は感じない。お互いにワーカホリック気味だとフッと息を吐くと視線を感じた。
「キリがいいなら終わろうか」
まさか今日もとは思わなかった。今までの中垣先輩から考えると信じられない言葉だった。中垣先輩は自分の机の上の書類をファイルに挟みながらそんなことを言う。
「いえ、私も大丈夫です」
「そっか。じゃあ、帰るか」
電気を消して研究室を出たのはそれからすぐのことだった。こんな早い時間に研究所の廊下を歩いていることさえなければ中垣先輩はいつもの様子と変わらない。私の心の浮かぶ疑問は上手く言葉にならずに何度も何度も口の中で消えていく。
静寂な研究室の廊下を私と中垣先輩の歩く音だけが響いていた。
時計を見て急に空腹感に包まれた。気分を変えるために飲むコーヒーは空腹を満たすことは出来ない。途中でサンドイッチを摘んだのはいつだろう。それさえも覚えてないくらいに記憶は曖昧で、私は仕事に没頭していた。時間は午後七時半。空腹を感じた私は研究所の前にあるコンビニにでも行こうかと思った。
中垣先輩の真剣な表情からはまだ今日の仕事が終わる気配は感じない。お互いにワーカホリック気味だとフッと息を吐くと視線を感じた。
「キリがいいなら終わろうか」
まさか今日もとは思わなかった。今までの中垣先輩から考えると信じられない言葉だった。中垣先輩は自分の机の上の書類をファイルに挟みながらそんなことを言う。
「いえ、私も大丈夫です」
「そっか。じゃあ、帰るか」
電気を消して研究室を出たのはそれからすぐのことだった。こんな早い時間に研究所の廊下を歩いていることさえなければ中垣先輩はいつもの様子と変わらない。私の心の浮かぶ疑問は上手く言葉にならずに何度も何度も口の中で消えていく。
静寂な研究室の廊下を私と中垣先輩の歩く音だけが響いていた。