あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
『今、仕事が終わりました。小林さんはまだ仕事中ですか?』


 可愛いというには少し甘みも足りないメールだけど、今の私にはこれが精一杯。それでも小林さんの仕事の邪魔をしてはいけないかなと思ったりもして、また、私はキャンセルしようと思ってボタンに触れようとすると、急に携帯が震えた。そして、画面にあるのは小林さんの名前。私のメール送信よりも先に小林さんからのメールが届いてしまった。


『今、仕事が終わったよ。美羽ちゃんの仕事はどう?時間が合うなら少しでも会いたいよ』


 私が送信しようと思っていたメールと同じようなメールがあって…。私の言えなかった言葉が並んでいる。その言葉がスーッと胸の奥まで沁みてきて、会いたさが倍増する。


『私も今、仕事が終わりました』


 もう少し早く自分の気持ちに覚悟を決めることが出来たなら、私からこのメールを送ることが出来たのにと思ってしまった。でも、今更言ってもそれは遅い。


『今、駅なんだ。八時十五分の電車に乗るけど、美羽ちゃんは乗れる?乗れるなら一番後ろの車両に乗るけど』


『私もその電車に乗ります』


 それだけメールを打ってから私は駅に向かって急ぐことにした。時間は八時を過ぎたくらいの今なら急げば小林さんの乗る電車に間に合う。会いたいと思った気持ちはメールには出来なかったけど、小林さんに届いたのかもしれないと思った。


 今日は小林さんに話したいこともある。
< 66 / 498 >

この作品をシェア

pagetop